三重県四日市市の新図書館に市民の声を反映させようと活動している「ライブラリーフレンズ四日市」(日下由紀子代表)と、四日市大学の高田晴美教授(文学)のゼミが協力し、7月4日、理想の図書館について意見を交わすワークショップを開いた。大学での開催は初めてという。
この日のテーマは「あなたの理想の図書館を教えてください~場所・コト・モノ・他」。髙田教授の「文学・文学現象・文化現象ゼミ」に参加している3、4年生6人とライブラリーフレンズ四日市のメンバー、髙田教授も一緒になって、12人で2班をつくり、ワークショップ「らいぶらりぃとーく」が始まった。
まず、班の全員が自分の意見を思いつくだけ付箋に書き出した。次に、似た意見をグループ分けして、班の考えをまとめる。班の代表がみんなでまとめた意見を紹介しあった。
駐車場の整備はもちろん、車を利用しない高齢者や障がい者らも行きやすい場所にあること、ゆったりとした空間で本を読むのを楽しめる雰囲気がある一方、人とのおしゃべりを楽しむこともできる場所があること。本だけでなく映像なども豊富に所蔵されていること、などを望む声があった。
また、「ペットと一緒に行ける図書館」「座り心地のいい椅子」「郷土資料や町の本屋にない本をしっかり所蔵していること」「ビブリオバトルなどのイベントが開かれ、活気のある図書館に」などの声もあった。
新図書館は、近鉄駅前の旧スターアイランド跡地に新ビルを建て、その中に設置する計画が断念となった。ライブラリーフレンズ四日市も「負けずに、歩みを進め、市民の意見が反映される図書館をめざそう」と、ワークショップなどの活動を続けるという。
ライブラリーフレンズ四日市は、9月16日、市文化会館で「図書館フォーラム あったらいいなこんな図書館」を開き、図書館に関する話、コンサート、ワークショップ、市民参加の図書館の事例紹介など盛りだくさんな内容にしようと準備中だ。この日の四日市大学でのワークショップの結果も、フォーラムの内容と合わせ、市に伝えていく考えという。
また、10月27日には、まちなか文化祭の商店街の特設ステージで「ビブリオバトル」を開催する計画があり、ライブラリーフレンズ四日市を含む主催者で出場者や応援してくれる人を募集しているという。