ロケ地は湯の山温泉 瀬木監督指導の映画塾 今年も充実の3日間

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【快晴に恵まれた撮影日=菰野町菰野】

 映画やドラマの撮影地として映像制作者の誘致と支援活動をするフィルムコミッション「ロケーション応援団菰野」(LOOK)は、6月28日から30日まで菰野町の湯の山温泉で第8回「菰野ふるさと映画塾」を開いた。17歳から68歳まで12人が参加し、映画制作の苦楽を体験した。

 地元の魅力に気づくきっかけになればと御在所ロープウエイの森豊さん(65)を塾長として、2013年に始まった「菰野ふるさと映画塾」。四日市市出身の映画監督・瀬木直貴さんの指導で、映画の企画立案、脚本作りから出演・撮影・編集・上映までのプロセスを3日間で体験できる盛りだくさんのプログラムだ。

 今年は「別れ」をテーマに短編映画の制作に挑んだ。最初に全員が意見を出し、共通項を見つけてグループ分けし、物語を練り上げていく。「過去の嫌な出来事や自分との決別」、「家族の死を受け入れて立ち上がる」など、様々な物語案が出たが、いずれも別れを前向きに捉えたものだったそうだ。

 参加者が一致団結して作り上げた約10分の映画のタイトルは「おばあちゃんのぬか漬け」。居酒屋を経営する5人家族に訪れた「別れ」。悲しみを超えた家族の温かい感情を織り込んで描いた。最終日の上映会後、母役を演じた市川未来さん(51)は、「3日で1本ができてびっくり。疑似家族に支えられてやり切れた。まさか自分が出ている映画を見て感動して泣くとは……」と感極まった様子。

【最終日、完成した作品の上映会】

 瀬木監督は、「別れは何かの始まりでもある。この映画塾も8回を数え次のステップに来たかな、と。今回は映画作りの基本に立ち返って、厳しいことも言いつつ、受講生に向き合い、きめ細かく丁寧な制作ができたと思う」と語った。

 森塾長は、「『別れ』というテーマ、今回で幕を閉じる覚悟だったが、皆さんの奮闘を見て継続しなければならないと志を新たにした。当塾で学んだことを糧に映画人になって、菰野ふるさと映画塾を皆さんの『ふるさと』としていただきたい」と激励した。作品は、各地の短編映画祭へのエントリーや、SNS上での公開も予定している。

【閉校式を終えて】