三重県四日市市の丸善石油化学株式会社四日市工場で5月29日、自衛防災隊、共同防災隊、市の消防隊が連携して火災に対応する消防訓練があった。コンビナートがある四日市市では、6月を危険物安全管理強調月間にしており、同工場ではこの時期、市消防を含めた連携の訓練を恒例として意識を高めているという。
霞1丁目にある同工場は、大きな地震などで被害があれば、市の消防車が駆けつけられるかどうかも状況次第だ。そのため、同工場では自衛防災隊が組織されているほか、さらに、霞コンビナートの企業が協力して運営する共同防災隊も備えている。この日は、四日市市北消防署から35メートル級のはしご車と化学車も参加して、約80人が連携訓練をした。
同工場の社員が火災を発見したとの想定で、自衛防災隊が放水を始める一方、現場指揮所の開設などもした。やがて共同防災隊が駆けつけ、さらに北消防署からも応援が到着し、そろっての放水訓練をした。
訓練後の講評で、防災隊本部長を務める今西和弘工場長が「安全は当たり前のものではない。いざの時に対応できるよう、きょうの反省をしっかり改善して備えよう」とあいさつ。北消防署の伊藤誠也署長は、何が燃えているか、風向きはどうかなど、その場の状況判断が大切になることなどを指摘し、「継続して訓練をすることが一番大切です」と話した。
危険物安全管理は、全国的には6月の第2週に「危険物安全週間」として行われているが、四日市市はコンビナートが地域にある性格上、これを月間の取り組みとし、この間、消防訓練や事業所への立ち入り検査などをしているという。