絶叫マシンが走る遊園地や温泉施設、花と食の公園などを併せ持ち、四日市市民にもおなじみのナガシマリゾートが今年、開業60周年を迎える。桑名市長島町の木曽三川河口の地に温泉が湧き出て、以降、全国屈指の複合観光施設へと成長した。初夏の行楽本番を迎え、きょうも、おおいににぎわう。
〇「私が最初の笑顔に」、入園者迎える髙川徳紗さん
入園者を笑顔で迎える髙川徳紗さん(22)は、遊園地ナガシマスパーランドのゲート係。お客様を楽しさにあふれる特別な空間に迎え入れる仕事だ。
四日市生まれの髙川さんは、もちろん、子どものころから何度もナガシマで遊んできた。県立四日市農芸高校時代は吹奏楽部の部長を務め、地域のイベントなどで客席の反応に喜びを感じた。
就職先を考えるようになった2年生の時、ナガシマリゾートを運営する長島観光開発に入社したいと決めた。遊園地でお客様と接している場面を想像したら、納得できる自分がそこにいた。
この春で勤務は5年目になった。最初の3年は遊園地内のレストランを担当。「第一希望だった」というゲート係になって約1年半になる。最初は慣れないあいさつだが、「自分も遊びにきたつもりで。自然な笑顔になれるよ」と先輩がアドバイスをくれた。初めて来園したお客様の気持ちにもなれるよう、相手を思う初心を忘れないよう心がけている。
60周年を迎える自分の職場。「長く多くの人に愛されてきた場所にいられるのが幸せ」と言う。お迎えの仕方も職場で話し合い、最近はイメージキャラクターのピーターラビットの青い服とウサギ耳のカチューシャをつけて歓迎するのがお約束だ。
「ゲート係は、最初にお客様と会う仕事。一期一会の役割で、短い時間のふれあいですが、お客様の最初の笑顔のきっかけになれればと思います」と話した。
〇続々と新施設、夏には「メガアビス」新登場、開業記念の大花火も
ナガシマリゾートを運営する長島観光開発株式会社は、1964年11月、「グランスパーナガシマ温泉」として営業を開始した。経済小説家で直木賞作家の城山三郎は「ある日、突然に温泉が噴出し、ある日、忽然とレジャーの大殿堂が誕生した」と述べたという。
1966年には遊園地ナガシマスパーランドが、1978年はジャンボ海水プールがオープン。1982年に「西部警察」のロケがあった時には10万人が押し寄せたという。
1988年にホテル花水木がグランドオープン。1994年、世界最大級の木製コースター、ホワイトサイクロンが営業を始め、2000年にギネス認定のスチールドラゴン2000が登場するなど絶叫マシン時代を牽引した。
その間、1998年に「なばなの里」が営業を開始。イルミネーションは今では海外の旅行客にも人気だ。2022年11月、樹齢2000年のオリーブの大樹をシンボルに、ナガシマファームも全面開業した。
長島観光開発株式会社は資本金12億円で従業員2000人。「自然を大切にして健全な遊びを提供、働く人々に心のやすらぎと明日への活力を取り戻していただく」との趣旨を社会的使命に掲げている。
開業60周年を記念して、今年、ホテル花水木本館では2月に総工費約10億円をかけてライブキッチンを備えた「ダイニング大河」が完成、夏には世界最大級のウォータースライダー「メガアビス」も新登場する。8月11日~17日と8月24日の計8日間には、これまでにないスケールでの「夏の開業記念大花火」も計画され、11月に向け、さらに企画を計画中という。