1988年に設立された四日市市西日野町に本部を置く、社会福祉法人四季の里の2代目理事長に福原進吾氏が就任した。35年目を迎え、「みらいの福祉へ 職員と利用者の幸福と地域社会への貢献を目指す」を新たな理念に掲げ、歩みを進めていく。
やりがいを重視した風土構築を
「一緒に働く仲間の存在が何より重要です」と福原理事長。自身も現場経験が長く、施設内で職員に会えば「お疲れ様」などと積極的に声をかける。利用者の満足に繋げるためにも職員への待遇面はもちろん、研修や勉強会を実施し、「働くやりがい」を重視した環境づくりへの取り組みを一層強めていく。働く人が笑顔でいられることが、利用者の満足へつながる。今後は施設内の職員向け休憩室の充実などにも積極的に取り組んでいくそうだ。
利用者の可能性を伸ばしていく支援へ
「みらいの福祉」を実現するため、職員の意識改革も推進していく。利用者のお世話をするのではなく、利用者の可能性を伸ばし、一緒に成長することを重要視するように。例えば、右手がまひしている利用者に対し、「右手のかわりになる」ではなく、「左手の可能性を広げる」ことを意識し、自分でできることの可能性を広げる。そのような接し方は、利用者自身の行動の幅が広がっていくことへつながる。
地域とともに生活できる環境づくり
四日市で産声をあげ、鈴鹿、伊勢、志摩など三重県内で広く事業を展開するようになったが、地域への関係性を大切にしていくことも新たな理念に盛り込んだ。ITの導入などで効率化が進む中、人同士が直接結びつくコミュニケーションは、職員と利用者の間だけにとどまらず、地域の人との中でも欠かせないもの。「コロナ禍ではできなかった、地域の人が遊びに来ることができるイベントなどもしたい」というビジョンもあるそうだ。
職員、利用者、そして地域。「みらいの福祉」を実現するために必要な三つの要素が同法人が歩んでいく源となる。「新たな法人理念のもと、全職員で未来に向けて取り組んでいきたい」と福原理事長は熱く語った。
【障害福祉事業】みらいの福祉へ進むための原点回帰
1つの精神障害施設の運営からはじまり、35年目を迎えた今では四日市、鈴鹿、伊勢、志摩で15事業所まで拡大することが出来ました。設立代表者が掲げた「障害者の人たちが地域で普通の暮らしをしていく」を原点に、みらいに続く支援を目指していきたいと思っています。
働く世代の減少が懸念される中、原点を忘れることなくみらいの世代にも受け継いでいけるような支援を続けていくためには、今ある働き方や支援、地域との連携を改めて振り返る必要があると考えます。
研修・勉強会の実施による自己成長の場を設けることや、評価制度の運用などによるモチベーションを高めることにより職員のやりがいを感じるための組織風土の構築を目指します。
支援する側とされる側になってしまいがちですが、利用者様も職員と同様に自己肯定感や自尊心を高めていける体制を目指していきたいと思います。そのためには、いま必要とされる自己決定の機会を確保することやストレングスを高める支援に着目することで多くの可能性やそれぞれのみらいが広がることを目指していきたいと思います。
【介護事業】人生の終盤をより活き活きと生活できる空間づくり
介護事業は有料老人ホーム、通所介護、訪問介護の3事業が協力体制で取り組んでいます。向かうベクトルとして「介護3.0」を軸とし、入居者様の「やりたい」を具現化できる体制づくりを進めています。高齢化社会が進み、働く世代とのバランスが崩れる中、我々の仲間として職員に頑張ってもらうため、「やりがい」に重点をおいて満足度強化に取り組みます。「介護基礎共育」として、全職員対象に月例で研修を実施。個々のスキルアップが介護の底上げに。また、オン・オフの切り替えに、最上階にリラックススペースも設置。風土構築に注力しています。
【保育事業】幼児期に心と体の基礎を育む
12年目を迎えたどんぐり保育園では、新たなチャレンジに取り組みます。園庭の遊具を全て撤去し、全面人工芝へ改修。裸足の活動を増やし、土踏まずの形成から、バランス感覚など体の基礎作りに取り組みます。また、体の内側からの基礎作りとして、「食育」の強化を実施。専用の農園を設置し、学ぶ、育てる、食べるを年間スケジュール化。保護者も一緒に取り組んでいただく仕組みにしています。小学校前にしっかりと心と体の基礎作りを行い、未来を生きる礎として新たな保育に取り組みます。
どんぐり保育園ホームページ(http://donguri344.com/)
社会福祉法人 四季の里
所在地 四日市市西日野町2806-1
設 立 1988年10月
理事長 福原進吾
職員数 264人
法人理念
みらいの福祉へ/職員と利用者の幸福と地域社会への貢献を目指す
ホームページ(http://shiki-no-sato.jp/wp/facility-list)
インスタグラム(https://www.instagram.com/sikinosato.yokkaichi/?hl=ja)