コロナ禍の苦労もかみしめ180人が社会へ、保護者席も設け、四日市大学の学位記授与式

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【卒業生代表で謝辞を述べる守屋明里さん】

 四日市大学の第33回学位記授与式(卒業式)が3月15日、都ホテル四日市であり、総合政策学部総合政策学科124人と環境情報学部環境情報学科56人の計180人が社会へと一歩を踏み出した。コロナ禍が落ち着いて久しぶりに保護者席が設けられ、来賓や教職員らと合わせて120人余が式を見守った。

 学部ごとの代表に学位記を手渡した岩崎恭典学長は、式辞で、今回の卒業生が高校の卒業式も大学の入学式も経験できなかった世代で、大学でも急に講義などが閉鎖され、地域での活動も制限される大変な時を過ごしたと紹介した。そのうえで、「徐々に活動の制限がなくなると、学生たちが積極的にいろんな活動を再開してくれた」と評価し、コロナ禍との「ふたつの異なる世界を経験したことをこれからの人生に生かしてほしい」と励ました。

式辞を述べる岩崎恭典学長

 卒業生代表の謝辞は、総合政策学部総合政策学科の守屋明里さんが務めた。「新型コロナのために、思い描いていた大学生活とは大きく異なり、授業、クラブ活動、学外活動などすべてに制限がかかって不安でいっぱいのスタートだった」とふりかえった。それでも2年生になると、守屋さんはオンラインを活かした活動にも踏み出し、3年生ではスペインに語学留学、4年生では南米をバックパッカーで旅するなど多くのことに挑戦した。「今までの自分の常識が相手の常識ではないこと、自分の気持ちをはっきり伝えないと相手に伝わらないこと、最後は自分自身で決断することの大切さも学んだ」などと体験から得た教訓を語った。不安よりも夢や希望を胸に、立派な社会人になると誓った。

学部ごとの代表に学位記を授与する岩崎恭典学長