三重県四日市市の南部丘陵公園小動物園で3月14日、「カメの冬眠明け」の作業があった。枯れ葉の下で眠っているカメは上から見ただけでは居場所が分からないが、遠足でやってきた保育園児たちも捜索に協力し、カメが掘り出されると、「おはよう」と声をかけていた。
冬眠していたのはニホンイシガメ13匹とクサガメ1匹の計14匹。昨年11月28日に冬眠用の飼育舎に移され、枯れ葉のベッドに潜っていた。通りがかりに眺めるだけでは見つからないが、飼育担当の主任、近藤真紀さんが足元に気をつけながら、隠れているカメを掘り出した。
この日、ちょうど遠足で公園にやってきた30人余の保育園児が飼育舎を囲み、金網ごしにカメを見つけて近藤さんのお手伝い。子どもたちは近藤さんも驚くほどの目の良さだった。カメが枯れ葉の中から姿を見せると、園児たちは「おはよう」「ごはんだよ」などと声をかけていた。
カメは、すぐ横の池のある飼育舎に移された。ここは鹿や鳥たちとの同居。飼育舎の真ん中近くにある池のふちに置かれると、目覚めていたカメはすぐに水の中へと向かっていった。近藤さんの話だと、今季は冬が暖かくて深い眠りにならなかったのか、すぐに動きだしたカメの数が多いという。
ニホンイシガメは甲長が最大20センチほどになる日本固有種のカメで、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種になっている。小動物園では保護の意味も兼ねて飼育している。クサガメは韓国、中国、台湾などでも見られ、最大30センチほどになるという。