自分の目標を1人ずつ発表、四日市市立橋北中学校の卒業式、市内では約2500人が卒業

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【式後にホームルームに戻り、記念写真を撮る3年A組のみなさん=四日市市立橋北中学校】

 三重県四日市市で3月7日、中学校の卒業式があり、橋北中学校では、自らの目標を卒業生が1人ずつ発表する「わたしのPolaris発表会」が開かれた。来賓、父母のほか、お世話になった地域の人にも会場の体育館に入ってもらい、堂々とした発表ぶりに大きな拍手が贈られた。

 一般的な卒業証書授与式との二部構成で、これまでにない試み。夜の道しるべといわれる北極星(Polaris)にちなんだ第一部の発表は、3年間の学びを通して考えた自分がなりたいもの、したいことなどをまとめた。自分の未来への道しるべ(Polaris)を発表するねらいだ。

 スクリーンに投影された自分の目標を書いたパネルを持つ写真の前で、1人ずつ発表した。胸には、地元の萬古焼作家、岸憲嗣さんがこの日のために作ってくれた焼き物のブローチ。羅針盤と北極星がデザインされ、若い中学生は可能性が大きいからと、北極星は二つになっている。

 「音楽を通して人を元気にしたい」「自分で夢に向かって努力できる人になりたい」「四日市の人々の支えになりたい」「自分から行動して人から信頼される人になりたい」。目標のあと、将来就きたい職業なども自由に発表した。卒業生は3年A組の1クラス26人で、体育館にいる在校生、教員、保護者、来賓、地域の人たちの200人近くがじっくりと耳を傾け、自分の言葉で語られる中学生活とこれからの夢など、それぞれの卒業生の思いを受け止めた。

 第二部では、内村信彦校長が1人ずつに卒業証書を手渡し、「これまでにない試みをしたが、ふだんから、自分たちで何かを作り上げていこうとする3年生のみなさんの意欲は確かなもので、私も大いに学ばせてもらった」などと言葉を贈った。小規模校だからこそ意欲的な試みができるという意味で考えた学校のキャッチフレーズ「Small school Big chance!」を引用し、これからは、より大きな可能性のある「Bigger chance」をつかもうと励ました。

 卒業生代表の楠本莉子さんが、3年間の勉強や部活の思い出を語った。教師や家族への感謝を述べ、クラスメートに「めざしている自分を目指して、笑顔で別れを告げよう。みんな一番の友達です」などと締めくくった。卒業生は旅立ちに寄せる合唱も披露した。

 四日市市によると、この日、22の中学校で計約2500人が卒業したとみられる。