【青春開花】 建設業界の未来を担う 四日市中央工業高校木工部 

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【醤油搾り器を囲む部員と伊藤教諭(右)と組合の担当者=四日市市菅原町】

 「人の役に立つものづくり」をテーマに、学校内外からの依頼に応え木工製品を制作する県立四日市中央工業高校(四日市市菅原町)の木工部は、卒業生が宮大工になるなど、建設業界で未来を担う活躍をみせている。

 創部のきっかけは同高の都市工学科のものづくりを行う都市工学研究部。建築を専門とする伊藤了教諭が顧問に就任後、活動の中心が木工になり、木工部に名を改めた。校内の看板など学校備品の制作をしていたが、学校外からも依頼を受け、多くの木工製品を制作。一昨年は多気町の観光施設VISONの酢の専門店の棚3種類11個を制作した。

 現在部員は2年生1人、1年生2人。昨年4月に、県からG7三重・伊勢志摩交通大臣会合の歓迎レセプションで使用するヒノキの升の制作依頼を受けた。液体を入れる器を制作したことがなく、水漏れしない高度な止水加工が必要とされた。1か月ほどの制作期間、県から支給された木材は、希望した柾目材ではなく、底板が反りやすい板目材。地元の木工家や、升を専門に制作する企業にアドバイスを受け、試作、水漏れ試験、相談、改良を繰り返し、80個完成させ良品から展示用も含め51個納品した。その努力は、各国の大臣が升を気に入り持ち帰ったことで報われた。

 8月からは三重県醤油味噌工業協同組合の依頼で、展示会用と家庭用の醤油搾り器の制作を開始。部長の伊藤翔君(2年)は、展示会用搾り器を担当、試作では抑える圧力に部材が耐えられるか不安があり、新たに一から作り直し、平日は始業前と放課後は午後8時過ぎまで制作。土日も登校した。「使い勝手やデザイン性にもこだわった」と話した。神谷光希君(1年)は家庭用を制作。搾る時に圧力をかける位置を従来品と変え、スムーズに搾れるようにした。家庭で使うことを想定し、コンパクトに収納できるよう設計。完成品を見た同組合の担当者は予想以上の出来栄えに驚き、喜んでいた。伊藤君は「人の役に立つものづくりができてうれしい」と語った。

制作した木工製品を見る部員

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