三重県の四日市市議会は3月4日、委員会での予算案審議などがあり、このうち産業生活常任委員会では、四日市花火大会が復活できるかどうかの実験を新年度に市が実施することに関してやりとりがあった。委員からは、実験とはいうものの期待感から大勢が押しかけてしまう事態も想定され、事故のないよう実施方法の検討を尽くすよう注文があった。
市は、2022年でいったん終了した花火大会について、市民から復活を望む声が大きいなどとして、この夏、千歳地区の四日市港で開催の可能性を調べる実験をする方針。これまでの台船からの打ち上げでなく、石油化学コンビナートからの距離の確保、安定した打ち上げ場所の確保などの観点から、打ち上げ候補地を四日市東防波堤として開催することを考えている。
数十発の打ち上げ試験で、①打ち上げ設備を設置するための海上輸送と設置作業の確認②見え方の把握や観客席の設定③臨海部企業の理解促進④海上輸送コントロールの予行⑤侵入禁止区域の設定と警備⑥人流の把握に関してはっきりさせていきたいという。
市からは、2022年1月に港湾関係団体から中止を求める要望があったが、それ以前から花火の燃えカスが緑地や企業のソーラーに飛んで落ちるなど、ぼや騒ぎが起きることもあり、港の荷済み作業などに影響が起こりうる場面もあったことが説明された。市は別の場所での開催を考えたが、それまでの台船からの打ち上げにとらわれたため、千歳地区も考慮に入らないと判断していた。その後、港湾関係者のアドバイスなどもあって、固定した防波堤から打ち上げる可能性に気づき、今回の実験を試みることにしたと説明した。海上に落ちる花火の燃えカスなどの回収に港湾関係者が協力してくれる話も出ているという。
委員からは、モニター観客の人数を絞った実験とはいえ、花火が打ち上げられるとなると、それを見に大勢の人が集まる可能性があり、事故などがないよう、警備面など十分に実施の計画を詰めてほしいとの注文があった。