三重県の四日市市漁業協同組合は2月27日、試験養殖中のワカメの今季の初収穫をし、大きく育った姿に「今年はいい出来だ」と声があがった。初めて試験に臨んだ昨季は思ったような成長がなかったといい、実際の販売に向け、期待ができる結果に。子ども食堂の運営をしている人にワカメを収穫する様子も見てもらい、食材として提供した。
この日午前10時半ごろ、組合の人や子ども食堂関係者、県漁政課、市農水振興課の人ら20人余が同市塩浜の漁協に集まり、船に分乗して1キロほど離れた同市三田町先の海へ。50mほど張ったロープを持ち上げると、人の背丈ほどに育った立派なワカメがどっしりとした姿を見せた。
昨年の秋に種を付けた細い紐をロープに巻き、海に入れて成長させてきたという。昨年は、細々とした成長だったが、ロープを張る場所を変え、沈める深さも調節するなど工夫を重ねてきたという。
組合の代表理事組合長を務める川村誠さんは「いい出来。去年はこんなには育たなかった。まだ改良の余地はあるが、今後は販路の開拓なども考えないと」と言葉もはずんだ。
漁協で水揚げされたこの日のワカメの量は、約10キロの重さのケースで13個分。子ども食堂を運営する人たちが、大きな袋に入れて食材用に持ち帰った。四日市市漁協は、かつてはコウナゴ漁などに携わる人で活気があったというが、ここ数年、コウナゴは漁ができない状態が続いており、代わりの仕事をとワカメの養殖を試みたという。