年が明けてあっという間に立春を過ぎ暦の上では冬にさよならを告げて春になりました。この時期は初春でまだまだ寒い日が続き、冬の食材に春の食材を加えていくのがいいでしょう。薬膳の考えの基礎には中国医学つまり中医学の知識に基づいています。中医学の5行論では春といえば五味は酸、五臓は肝とされています。
冬の間にため込んだ毒素も排出しなければなりません。肝がその働きをしてくれますので「肝の働きを助ける食材」が重要です。また春のトラブルに対応する五味は酸味が必要になります。酸味には血液浄化、筋肉を引き締める効果があり、初ガツオにポン酢をかける、サバを煮るときにレモン汁や酢を少し加える、から揚げをマリネで楽しむなど、春の料理では酸味を少し意識するといいでしょう。また初春では酸味に辛味を加えて頂くと巡りも良くなります。今の時期は酸に巡りを良くする辛味を加えてください。
【肝の働きを助ける食材】アナゴ、菊花、金針菜、クコ、クレソン、セリ、セロリ、貝類
セロリは茎の部分に肝臓の機能を高める成分が含まれています。葉の部分には茎より多くの栄養素が含まれ匂い消しにもなるので、葉の部分も使って補血作用のある肉類と一緒に調理すると春の身体を元気にしてくれる一品になります。
【肝の働きを助けるスープ】
材料(2人分)
牛肉 (バラ・薄切り)100g
キノコ 100g
ニラ 半束
セロリ 半本(葉っぱを含む)
クコ 20g
(A)
酒 少々
醤油 少々
黒コショウ 少々
(B)
生姜 1かけ
酒 小さじ2
塩 小さじ 1/3
醤油 小さじ1
だし汁 2カップ
【作り方】
1.牛肉はサッと洗い、Aで下味をつける。片栗粉で薄くまぶし、2cmの長さに切る
2.キノコはに一口大に切り、フライパンで乾煎りする。セロリの茎は1cm、葉はみじん切りにする。ニラも1cmの長さに切る。生姜は千切りにし、クコは熱湯で戻す。
3.Bを火にかけにひと煮立ちしたら、キノコ、セロリの茎、牛肉を入れ、最後にニラ、セロリの葉を入れ、にひと煮立ちさせる。
4.器にもりクコを散らす。