災害時のペットとの避難、耐震補強への補助、子宮頸がんワクチンなど質疑、四日市市議会で一般質問始まる

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【一般質問が始まった四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は2月22日再開し、一般質問が始まった。「じばさん」の将来像、災害時のペットとの避難、「発達性ディスレクシア」への理解、木造住宅耐震化への取り組み、マイナカードの普及促進、「おくやみコーナー」設置など幅広いテーマでやりとりがあった。

 この日の質問に立ったのは田中徹さん(市民目線の会)、水谷一未さん(同)、太田紀子さん(無会派・日本共産党)、樋口博己さん(公明党)、山口智也さん(同)、森智子さん(同)の6人。

 田中さんは、JR四日市駅近くの「ハローワーク四日市」の利用者が多く、駐車場不足で車の列が道路をふさいでいると指摘。近鉄四日市駅西の「じばさん」の将来像を市に尋ねたうえで、周辺の駐車場事情もよい「じばさん」にハローワークに入ってもらい、JR四日市駅周辺整備と一体として考えてはどうかと提案した。市側は、「じばさん」について、2027年度運用開始をめざし、スキルアップ、リスキリング、スタートアップ支援などで地域の産業を支える拠点にしようと検討しているとした。田中さんは子宮頸がんワクチンの接種率が低いことを挙げ、積極的に周知してほしいとも求めた。

 水谷さんは、災害時にペットとの「同伴避難」ができる取り組みを求めた。市は、避難所の屋外にペットの居場所を設ける「同行避難」については検討を進めているが、避難所で飼い主と一緒に過ごす「同伴」となると、衛生管理やアレルギー対策の観点から困難とした。しかし、こうした要望は強くなっており、総合的に検討したいとも答弁した。

 水谷さんは、車いすで一人暮らしをしている人も利用できる市営住宅の改修や、選挙で投票所に行ける支援についても求めた。選挙については、市は2024年度後半に予定されている四日市市長選から、市がタクシーを確保して、車いすの人も投票所へ行けるよう支援するとした。

 太田さんは、「発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)」や「HSC(とても敏感な子ども)」について取り上げ、「周囲が正しく認識して、適切な支援をすることが必要で、教員向けの勉強会や、ガイドブックの作成など取り組んでほしい」などと求めた。樋口さんは、マイナ保険証の利用の拡大を促進するための市の取り組みや考え方を質問した。

 山口さんは、木造住宅の耐震補強に対する市の補助制度について質問した。市は「必要と感じながら費用面であきらめる人もいる。利用しやすいように制度の見直しを検討している」などと答弁した。補助制度が過去に廃止された耐震シェルターについても、再び検討する動きがあるという。

 森さんは、家族の死後の手続きをひとつの窓口で済ますことができる「おくやみコーナー」の設置について、検討状況を質問した。市は、国の動きもにらみ、全庁的なデジタルシステム化をしようとしている今は、先行して窓口を設置すると二重投資の可能性もあるなどとし、お悔やみ手続きを紹介した現行のパンフレットの活用などで、利用しやすくするなどと答弁した。

 森さんも子宮頸がんワクチンの問題を取り上げたが、原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)は男性のがんの原因にもなるとされ、男性のワクチン接種も進めるべきと求めた。市は先進例などを見ながら検討するとした。