過去最大の一般会計1373億2000万円、四日市市が2024年度当初予算案を発表、大規模投資が多数

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【2024年度当初予算案が発表された四日市市役所=四日市市諏訪町】

 三重県四日市市は2月6日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は1373億2000万円(前年度比5.7%増)で過去最大になった。中央通り再編や学校施設の大規模改修が進んでいるほか、新年度は総合計画の中間見直しの年度で、既存計画の見直しや新規事業の構築などに着手する。脱炭素への取り組み、デジタル化の推進など、将来への投資の性格をもつ多くの予算配分が必要なことから、基金の活用などで収支の均衡をはかったという。

 競輪事業など特別会計は877億9140万円、水道事業、市立四日市病院事業、下水道事業など企業会計は726億6700万円。そのほか財産区を加えた総額は2978億2840万円となっている。

 記者会見した森智広市長は、当初予算案を「過去最大!新たな未来に向けた元気都市創造予算」と名付け、「市の財政状況を考えると、今は四日市市の未来をつくっていくために一定の投資をしていく時期にあると考えている」などと積極型予算を編成した思いを述べた。

新年度予算の特徴をパネルで掲げる森智広市長

 市によると、市内の企業の大規模な設備投資の減価償却が進み、固定資産税が若干減少するため、市税収入が減少する見通しで、国際情勢や円安による原材料などの物価高騰、構造的な賃上げや建設業、物流業の時間外労働の上限規制などによる工事費などの上昇もあり、歳出額は大幅に押し上げられるという。

 こうした状況のなかで、主要な事業を着実に進めるため、財政調整基金繰入金20億4700万円や都市基盤・公共施設等整備基金繰入金10億6899万円を計上するなど、無理のない範囲でやりくりし、収支の均衡を図ったという。

 中央通り再編事業の本格化、小中学校の大規模改修や空調設備整備、温水プール整備など大規模な投資が多数あったことから、市債は前年度を42億7090万円上回る86億4850万円を計上することとなり、市債の発行額が元金償還額を上回り、約10年ぶりに市債残高が増加に転じる見通しになったという。