海上自衛隊の護衛艦「くまの」の一般公開が1月28日、三重県四日市市の四日市港千歳地区第3埠頭であり、家族連れなど多くの人でにぎわった。レーダに捕捉されにくいステルス性能を高めた船形で、三重県での一般公開が初めてということもあってか、午前の早い段階で1千人を超す人が訪れ、専用の駐車場には市外や県外のナンバーも多かった。
荷物検査を終えた見学者は、3重の折り返しの列で順番を待ち、後方甲板から乗艦。船内を巡って前方甲板へ。そこに構える最大射程25キロ、発射速度1分間に15~20発という「62口径5インチ砲」の間近に立って、船体中央にそびえる「ユニコーンアンテナ」、その下の多機能レーダなどにカメラを向けた。
従来の護衛艦の機能に加え、機雷除去など、海外などでの活動では掃海艦艇としての能力も発揮でき、作業に使う水中無人機や水上無人機なども備えている。後部甲板では哨戒ヘリコプターも離発着できる。
岸壁では軽装甲機動車や偵察用オートバイなども展示され、能登半島地震での災害派遣活動の様子を紹介する写真展もテントで開かれていた。
自衛隊三重地方協力本部の資料によると、護衛艦「くまの」は2022年4月に就役した。同時期に建造され、同じ性能を持つ「もがみ」との姉妹艦。艦名は三重、和歌山、奈良を流れる熊野川からとっているという。
船長133メートル、船幅16メートル余、基準排水量3900トン。速力30ノットの性能で、艦内の火災や浸水に対するダメージコントロールを大幅に自動化しており、乗員数は従来艦に比べ半分に省力化されているという。