耐震補強や復原修理を終えた四日市市の市指定有形文化財「旧四郷村役場」について、市は3月23日にリニューアルオープンすると発表した。修理前は民具などを収容し、地域の歴史や生活を知ることができる「四郷郷土資料館」として親しまれていたが、今後も地域の歴史や経済的な発展、暮らしぶりなどをあらたな展示で見てもらうほか、講演会や音楽会などのイベント開催を含め、さまざまに親しんでもらう予定という。
建物は、現在の東洋紡株式会社につながる三重紡績を創業した10世伊藤伝七の寄付をもとに、1921(大正10)年にできた擬洋風の3階建塔屋付き建物で、四日市の近代産業の発展の礎を築いた四郷地域の当時を感じてもらえるほか、あらたな展示でも伊藤伝七の活躍やその後の旧四郷村の繁栄ぶりなどを紹介する内容になっているという。
3月23日にリニューアルオープンの記念式典を西日野町の現地で開く。式典終了後の午前10時30分ごろから、だれでも建物を見学することができる。同日午前11時から、近くの四郷小学校体育館で記念コンサートがあり、笹川中学合唱部、四日市四郷高校吹奏楽部の演奏や、SUNRIZE!43~こにゅうどうくんのテーマ~のダンス発表がある。同日から3月31日まで、午後5時~8時、建物のライトアップをするという。
また、リニューアルオープン直前講演会が3月3日午後2時からあり、四日市市文化会館第3ホールで慶応義塾大学経済学部の橋口勝利教授が「四日市の近代産業の礎を築いた偉人たち~5世伊藤小左衛門・9世&10世伊藤伝七~」のテーマで講演する。このほか、東京の三重テラスで2月2~4日、資料館の建築物としての魅力などを紹介するイベントなどを行う。
リニューアルオープン後の開館は、毎週土曜日と日曜日の午前9時~午後4時(12月29~1月3日は休館)の予定という。(記事中の写真は、いずれも四日市市提供)