四日市コンビナートカーボンニュートラル化推進委員会の2回目の会議が1月16日、三重県四日市市の四日市商工会議所で開かれた。昨年3月に発表した2050年に向けたグランドデザインを具体化する会議で、議論が続く2024年度へ向けての委員会活動の目標などが提示された。
推進委員会は生産プロセス部会、副生ガス利活用検討部会、水素・アンモニア拠点化検討部会など六つの部会での検討を中心に進められてきた。2024年度は部会の活動を継続しながら、2030年度の中間到達点を含め、今後の取り組みや技術開発などでグランドデザインを随時更新していくという。
また、2024年度の目標として①カーボンニュートラルの実現に向けた、各テーマ領域のFS(事業の可能性の検証)・実証プロジェクトの推進②中部圏・四日市として拠点整備に向けた政府支援を獲得し、コンビナートの水素・アンモニア拠点化を推進、の2点を掲げた。①は、情報交換などを中心にしてきた活動を、より具体化へ向ける取り組みで、②は、石炭などの現行の燃料を水素・アンモニアに転換する場合の値差(価格差)の負担を国が支援したり、水素・アンモニア拠点化を支援していく国の動きに対応しようというものだという。
②に示された国の支援は2024年度からの実施が示されているため時間的な制約もあり、非公開で行われた意見交換の中でも中心的な課題になったという。
四日市コンビナートのカーボンニュートラルは、さまざまな企業の生成品や副生物質をどのように利用しあい、あらたな生成品につなげ、温暖化対策にもつなげるかなどが議論されている。このため、電力会社を中心に、石炭などの現行燃料を水素・アンモニアなどの新エネルギーにしていくだけの地域にはない複雑さもあるという。その分、調査や計画づくりには時間がかかることもあり、学識経験者の委員からは、委員会の活動に期待を寄せる一方で、2030年を目指した水素等の輸入、活用については各地域のプロジェクトが具体化しつつあり、四日市単独での展開を考えるとすれば、覚悟とスピード感をもって臨むことが必要で、2030年の水素輸入を考えるなら、中部圏水素利用協議会と一体となって、そのサテライト拠点として、まずは2030年からの導入を目指すのも良いと思っている、などとするコメントも寄せられた。