「第93回全日本ボクシング選手権大会」(11月21日~26日 東京都墨田区総合体育館)に出場した四日市市在住の須永大護さん(23)が男子ミドル級(75キロ)に出場し、優勝した。須永さんは東洋大学卒業後に四日市市へ、三重県スポーツ協会に所属し、四日市市新正の「四日市ボクシングジム」を拠点に練習している。同ジムのチーフトレーナー国吉弘記さんと12月27日、四日市市役所を訪れ、同市の森智広市長に大会結果の報告や、今後の目標などを話した。
「四日市在住の方が優勝されたことは市民にとっても励みになり、盛り上がる。おめでとうございます」と声をかけた森市長。「来年も優勝して、2連覇できるようにしたい」と須永さんは話した。
大学時代は思うように力が伸びなかったそうだが、国吉さんは「一目見たときから、まだまだ伸びしろがある」と感じたという。卒業後、国体の強化選手として四日市ボクシングジムを拠点に練習を始めた。
全日本は結果をみれば、レフェリーストップやポイント5-0での勝利など「圧勝」と思われたが、「パンチ力のある選手が相手、一発もらったら何があるか分からない」と最後まで緊張感を持ってリングで戦うことができたという。
四日市に来てからは、以前よりも考えることを大切に練習に励むようになった。大学時代から成長した須永さんの姿を試合などで見て「すごい、どうしたの」と驚く人もいたという。
須永さんがボクシングを始めたのは小学4年生のころ。現在、ジムに通っている子どもたちの面倒見も良いそうで「お兄ちゃん的存在ですね」と国吉さんは笑顔で話す。
得意のストレートに磨きをかけながらも、フックなどがより上手くできるようにと練習に汗を流す。五輪出場など周囲の期待も膨らむが、須永さんは、まずは全日本ボクシング選手権2連覇を目標に掲げる。国際大会の開催などは現時点では未定だが、開催が決定すれば出場は濃厚。「ミドル級は海外勢の選手が強く一気に層が厚くなる。自分の武器を増やしていきたい」と闘志を燃やしていた。