三重県菰野町のひとみウィメンズクリニック(服部日東美院長)は今年8月から、「患者さんの待ち時間を少しでも短縮したい」と東京都のオンライン医療事業などを手掛けるベンチャー企業「MICIN」(原聖吾社長)が開発した通院専用キャッシュレス決済サービス「クロンスマートパス」を導入した。以前から「子育て中、仕事中など忙しさの合間に通院する人の負担を減らしたい」と考えていた服部院長、同サービスを利用した人から「診察後の会計待ちがなくなり、すぐに帰ることができる」と好評だという。
「忙しい人がきちんと通って治療ができる病院にしたい」と診療科目が産婦人科、女性内科として2021年11月1日に菰野町大羽根園に開院した同クリニック。しかし、土曜日には診察後の待ち時間が30分ほどになるなど、待合室の混雑などが課題となっていた。
そこで導入を検討したのが2022年9月にMICINが提供を始めたスマートフォンだけで診療の受け付け、会計、薬の受け取りまでを完了できる「クロンスマートパス」だった。同サービスは患者側、医療機関側のメリットが明確で、全国の医院で導入が広がっていた。
院内掲示をポップな雰囲気で仕上げ案内したところ、20代から50代の患者を中心に利用する人が多く好評に。受付で二次元バーコードを読み込んで受付ができ、保険証も事前登録ができる。診察後は処方箋を受け取るだけで、会計は事前に登録したクレジットカードから支払われるという。また、処方箋も自動で連携されるため、薬局に着く前から薬の準備が始まるという。
メリットは医療機関側にも。ネット決済なので、多忙なときには会計の後回しができるため、優先業務に集中できる。また患者が帰宅後でも金額の修正も可能で、条件を満たせば決済手数料が無料になる。二次元バーコードのスキャンをした患者が表示されるため、診察券番号を入力すれば診察券の受け渡しを省略できる「オンライン診察券」として利用できるのも魅力だ。
ひとみウィメンズクリニックでは、システム導入後に「診察の後、会計待ちがなくなってうれしい」「すぐに帰ることができて便利」と患者から好評で、受付を担当するスタッフからも「患者さんへの対応がスムーズになり、業務の負担が軽減した」と導入したメリットがあり、服部院長も「今後も地域の医療機関に広がっていけば」と話している。
クロンスマートパスは全国の医療機関が導入している。同社の担当者は「今後さらに多くの医療機関へ本サービスを導入頂くことで、待ち時間の軽減という通院における患者さんの負担を減らし、より良い医療体験を多くの方に提供していきたいと考えています」と今後の展開について話している。