産業功労者に茶業の萩村重美さん、四日市市が今年度の被表彰者を発表

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【産業功労者などの被表彰者を発表する森智広市長=四日市市役所】

 三重県四日市市は、2023年度四日市市産業功労者などの被表彰者を発表した。産業功労者には有限会社萩村製茶代表取締役社長で、農事組合法人すいざわ茶生産組合の組合長でもある四日市市水沢町の萩村重美さん(82)が選ばれた。市優秀技能者、市雇用優良事業所、市「男女がいきいきと働き続けられる企業」の被表彰者も同時に発表された。表彰式は2024年1月31日に市役所8階来賓応接室で行われる。

 森智広市長が12月21日の定例記者会見で発表した。市の資料によると、萩村さんは1962年に製茶業を始め、1982年に萩村製茶の社長に就任、県内でも有数の生産規模を誇る会社に成長させた。1987年には「ギャバロン茶」、1995年には抹茶の原料である「碾茶」の製造に県内でいち早く取り組むなど、発想力や経営センスを生かし、新製品の開発に取り組んだ。

 生産組合の組合長などとして、農地基盤の整備集約化による作業、流通の効率化、販路拡大に努めた。2016年にはかぶせ茶、抹茶が伊勢志摩サミットで提供されるなど、地場産業でもある伊勢茶の振興、知名度の向上に貢献した。

産業功労者に選ばれた萩村重美さん(四日市市提供)

 市優秀技能者には、西伊倉町の調理人畑中崇史さん(51)、沖の島町の理容師村居彩香さん(35)、川越町の美容師森本五月さん(55)が選ばれた。畑中さんは西洋料理を研究し、四日市地区調理師協会理事として、組織の強化や後進の指導に尽力した。村居さんは、若い理容師が不足する業界で、優秀な技術を発揮して活気をもたらし、福祉施設での散髪ボランティアにも参加している。森本さんは各種の美容競技大会で優秀な成績を収め、美容イベントにも精力的に参加し、業界の技能向上や人材育成に尽力している。

 市雇用優良事業所には、障害者雇用で株式会社スズキ自販三重(自動車販売業、日永5丁目)、高年齢者雇用で株式会社くき(警備業、川原町)が選ばれた。株式会社スズキ自販三重の障害者雇用率は3.68%で、これは民間の法定雇用率2.30%や、ハローワーク四日市管内の障害者雇用率2.43%を大きく上回る。株式会社くきの65歳以上の高年齢者雇用率は72.4%。これは、三重県内で常用雇用する労働者が21人以上の企業3059社の常用労働者数に対する65歳以上の高年齢者雇用率8.13%をはるかに上回る数字になっている。

 市「男女がいきいきと働き続けられる企業」は、奨励賞に社会福祉法人日の本福祉会(松原町)が選ばれた。女性の占める割合が高い保育業界で、全国平均を大きく上回る15%を男性が占めている。性別によらない採用、能力本位の業務体制を整え、子育て中の女性が管理職として活躍するなど、男性、女性を問わずに活躍できる環境づくりを進めている。