三重県の四日市市議会で12月13日に開かれた都市・環境常任委員会で、中央通り再編のシンボル的存在になっている「円形デッキ」の事業費が、全国的な資材高騰や人手不足の影響もあり、当初よりもふくらんでいることが市側の説明で明らかになった。2021年度の見込みでは約17億円だったが、25億円ほどになっている可能性があり、周辺とのデッキでの接続なども考えた全体工事では45億円を上回る可能性もあるという。
今議会には、円形デッキの屋根などを除いた回廊や脚の土木工事として約8億8000万円の工事請負契約の締結案が提出されている。その質疑のなかで、市議が「事業費の全体像」を求めた。市側は、新図書館の入るビルや新大学構想、JR四日市駅と港地域を結ぶ自由通路など、全体の計画そのものが動いていることから、一度に提示するのは難しいとしつつ、物価の高騰などがあり、コスト減の努力もしているが、円形デッキのみで20数億で、25億円くらいになる可能性があること、円形デッキを他のデッキと接続する工事全体の事業費では45憶円か、さらにアップの可能性があることを示唆した。
委員からは「円形である意味は」などの質問も出て、市側は「新しい四日市の玄関の顔づくりであり、景観としての魅力や、円形ゆえの移動のスムースさなどを考えた」と答えた。議案を認めることに躊躇する委員もいたが、最終的には賛成多数で「可決すべきもの」と判断した。
やり取りの中では、委員から「四日市市が、かつてない規模で新しい魅力をつくろうとするのだから、『これだけの費用を必要とするが、これだけの効果があります』などの説明を市民にしっかり伝えることが必要だ」との意見も出た。