三重県四日市市の北勢地方卸売市場で12月10日、「いちばの朝市」が開かれ、多くの人でにぎわった。コロナ禍を経て、4年ぶりの開催。午前7時スタートの予定だったが、来場が予想以上に多く、時間前に販売を開始するほどだった。「まぐろ解体ショー」などのイベントも大勢が集まった。
ふだん、一般の人は入場できない広さ11万余平方メートルの市場は、午前6時半ごろには用意した駐車場が半分以上埋まり、青果の仲卸9社、水産の仲卸10社の販売も始まっていた。実行委員会事務局の筒井悠太さんは「お問い合わせも早くからあり、例年以上にお客様の出足が早い。スタートまで来場する車を止めようとしても止められない、という状況です」。
「北勢地方」の名前はあるが、流通の発達で、実際の商品の集荷、出荷は全国規模の扱いという。青果では白菜、キャベツ、リンゴ、バナナなどのほか、漬物などの加工品やクリスマス・正月用の花や飾りも並んだ。ミカンやジャガイモなどの詰め放題に挑む客も多かった。
水産では、1本2万円ほどのブリ、部位も豊富な刺身用のマグロの柵、紅鮭やズワイガニなど季節の魚介が並び、加工品なども販売されていた。鮮魚の水槽を釣り堀にした店もあり、親子らが大きなタイを釣り上げていた。
イベントもにぎやかで、「まぐろの解体ショー」では「ケンちゃん」こと中田健一さんが、約35年の仕事で磨いた見事な庖丁さばきを見せ、60キロを超えるマグロを10分足らずで切り分けた。長崎県五島列島産のクロマグロという。じゃんけんに勝った子どもらが試食したほか、ショーのあとでさらに柵状に切り分けられ、会場内で販売された。
飲食店のコーナーでは、限定数のうなぎ丼が飛ぶように売れていた。先着3000人が参加できる抽選会、ギターによる演奏会などもあり、お昼まで、来場者を楽しませていた。