新図書館の建設場所に疑問、JR四日市駅周辺整備に注文、四日市市議会で一般質問始まる

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【市街地再開発の質疑などがあった四日市市議会の一般質問初日=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は12月6日、本会議で一般質問が始まり、中心市街地の再開発にからみ、新図書館の建設場所がこれでよいのかとする疑問や、JR四日市駅周辺の整備に対する注文などが市議から出された。新図書館の建設場所は近鉄四日市駅東の旧スターアイランド跡地に出来る新ビル内を前提に計画作成が進んでいるが、なおも建設場所に疑問が示される状況が続いている。

 無会派(日本共産党)の村上暁さんは、新図書館が建設される場所は、繁華街の中にあり、風営法では図書館の近くで営業できない店も存在していると指摘し、疑問を呈した。

 市側は、新図書館の場所は2005年から続く検討の結果で、市役所東広場、JR四日市駅近く、近鉄四日市駅東の3カ所から、市街地活性化の期待などもあるとして近鉄四日市東で進めていると説明。風営法のからみでは、現在の繁華街の状況の中でも図書館を建てることはできるとした。一方、新図書館ができても現存する店の営業は禁止できないこと、今後の新店の開店は難しく、現存の店の大幅な改装も規制される可能性があるなどとした。

 村上さんは「今ある風営法施設の近くを新図書館利用の子どもたちが通るとなると、ふさわしくないのではないか」と意見を述べた。

 市民目線の会の小林博次さんは、中央通り再編だけで約200億円とされている再開発の事業費が、新図書館、JR四日市駅から東へ架ける自由通路、構想中の新大学、四日市港の街づくりまで含めると、全体で幾らになるのか全体像を示してほしいと求めた。市側は、新図書館、大学などは検討中で、それぞれの検討が進んだ段階でお示しすると、これまでの回答を繰り返した。

 小林さんは、駅舎の建て替えについても質問。市側は、自由通路から入れる「橋上駅舎」の検討をしていると答え、JR東海貨物との事業合意を2025年度には取れるようにし、2027年度の中央通りの完成に引き続いて着手できるよう考えていると回答した。小林さんはJR駅の北側にある計375台分の駐輪場、94台分の市営駐車場、JR駅前のバス停車場の整備なども同時に検討して整備するよう求めた。

 無会派の今村厚美さんは、中央通りにできる「ニワミチ」に、ユニバーサルデザインの考えを入れることを求め、バリアフリー動線がどうなっているのかなどを質問した。障害のある人たちを含め、すべての人に利用しやすい事業の進め方を求めた。

 中央通り再編以外では、市民目線の会の水谷一未さんは、地場産業の萬古焼を産業、伝統文化の両面で発展させるための取り組みを求め、動物愛護活動の課題として、「地域猫」の考え方を取れないかと質問した。

 同会派の田中徹さんは、自治会の公会所や集会所が登記されていない現実があることを指摘し、自治会を法人として認可し、トラブルのない状況をつくることが大切で、認可への作業が煩雑な場合は、市が自治会を支援していく必要があるのではないかなどと指摘した。

 無会派(日本共産党)の太田紀子さんは、市民団体が独自調査の結果を発表した有機フッ素化合物の汚染について、市は独自に調査しないのかとただした。環境部は、調査場所をこれまでの1カ所から3カ所に増やす考えを示した。上下水道部局は、給水栓などで調査して目標値を下回っており、あらたな調査の必要はないと考えていると回答した。太田さんは体育館の空調設備を早期に整備することも求めた。

 公明党の森智子さんは、学校図書館の利用の現状などを質問し、物価高騰対策への市の考え方も質問した。市側からは、学校図書館での貸し出し冊数が減少傾向にあることや、インターネットを使う機会が増えたためか、新聞を読まない割合が高くなっていることなどが説明された。