体験やパネルで学ぶ身近な環境、「じばさん」で四日市市環境フェア

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【体験ブースは親子などの参加でにぎわった=四日市市安島1丁目】

 「四日市市環境フェア」が12月2日、四日市市地場産業振興センター(じばさん)の6階ホールで開かれた。市内で環境活動をしている団体や企業が約20の展示や体験などのブースを設けて活動を伝え、市民に環境への関心を深めてもらった。環境活動や研究、グリーンカーテンフォトコンテストの表彰式などもあった。

 毎月、第1日曜日に吉崎海岸で清掃活動をしているNPO法人四日市ウミガメ保存会と楠地区まちづくり検討委員会は、活動が10月に環境省から「自然共生サイト」として選定され、認定証などをブース内に掲示した。

 楠地区まちづくり検討委員会は、吉崎海岸でも自生するフジバカマの葉を乾燥させて袋に詰めてもらう「香り袋」づくりのコーナーを初めて開いた。小学生や親子が参加した。

香り袋づくりを楽しむ参加者たち

 キオクシア株式会社四日市工場は、工場のクリーンルームをVR(仮想現実)で体験してもらった。また、余ってしまうカレンダーや手帳のリユース、チャリティーバザーの収益を緑化に役立てる活動、アルミ缶を集めて障害者自立のお手伝いをする活動など、数多くの活動をパネルで紹介した。

 四日市再生「公害市民塾」は、四日市公害を忘れないようにと、訴訟時からの写真を掲示した。四日市自然保護推進委員会は、シロチドリなどの海の鳥の減少が、貧栄養によるゴカイなどのエサの激減にあるとし、その問題点などをパネルや展示で紹介した。

 ステージの表彰式では、三岐鉄道株式会社に四日市市環境活動賞が授与された。同社総務課長の小林努さんが賞状を受け、活動を報告した。鉄道はもともと環境に優しいとされるが、同社では、温室効果ガス削減のためのパークアンドライドなどを進め、電車に自転車を持ち込めるサイクルパスも続けている。今年4月からは、東海地方では初の、長さ10メートルの大型EVバス「K8」を路線で走らせている。日中、太陽光パネルなどで電気を蓄積して走らせているという。

四日市市環境活動賞の賞状を受ける三岐鉄道の小林努総務課長

 「じばさん」の1階ロビーでは、市では3回目になるフードドライブを開催。米、缶詰、袋めん、お菓子、飲み物などが持ち込まれた。後日、四日市市社会福祉協議会を通じて子ども食堂などへの協力に回るという。