三重県四日市市は11月30日、文部科学省の外局であるスポーツ庁と連携し、市の中央通りでスケートボードパークを開いてきた取り組みを活かし、新しい考え方のスポーツの場づくりを進めると発表した。来年早々にモデル実証事業を行うという。同日、森智広市長が定例記者会見で明らかにした。
市によると、スポーツ庁は、地域のスポーツ環境を確保、充実させるため、いわゆる体育館などの「スポーツ施設」以外の公園、広場、歩行空間といったオープンスペースの活用を考えている。このうち、歩行空間の活用で、昨年、市が「はじまりのいち」の中でスケートボードパークを設けたことを活かし、市と連携してモデル事業を進めることにしたという。スポーツ庁は公園、広場でも全国から1自治体を選定する考えという。
スポーツ庁は東京五輪を契機に、国民のスポーツへの関心が「見る」だけでなく、自ら「する」方向へと進むと考え、既存のオープンスペースをスポーツの場へ変え、施設の老朽化や財政の制約にとらわれないスポーツ環境づくりを進めようと考えているという。モデル実証事業として実施することで、課題も明らかにし、その解決策などを全国に周知していくという。
四日市市でモデルとして行う場所は、「はじまりのいち」でも使われた、国道1号からJR四日市駅にかけての中央通りの緑地帯などと、市役所東の広場。中央通り再編では、歩くことが楽しめ、店なども並ぶ緑豊かな道「ニワミチ」を想定して再編されていく部分にあたる。
四日市市は、「はじまりのいち」を実施するときに協力してもらった市民に呼びかけ、12月中旬にワークショップを開きたい意向で、どんなスポーツが好ましいかなどを話し合ってもらうという。そのうえで、2024年1月中旬から2月中旬にかけて、2~4週間、モデル実証事業を実施したい考えだ。