三重県四日市市は11月28日、市内のライブハウス「CLUB CHAOS(クラブケイオス)」で「新生・四日市市ふるさと納税発表会」を開いた。ステージで森智広市長が新規開拓などの返礼品を紹介。その中にこのライブハウスでカラオケを映像作品にできる体験型返礼品があり、その魅力を伝えたいと森市長が和製パンクロックバンドの歌を熱唱、「イエーイ」と四日市をPRした。
四日市市はこの税(寄付)の収支では圧倒的に赤字が続き、何とか打開したいと、元電通社員の日下幸一郎さんを戦略プロデューサーに招き、改革に取り組んできた。とにかく、市のふるさと納税を意識してもらおうと、役所にしては大胆なショーアップした発表会を企画した。
今回、市の返礼品を統一的に売り込んでいく、「ふるさと納税四日市場」のロゴも発表。こにゅうどうくんの顔が真ん中にあるデザインで、すでに近鉄四日市駅などにもポスターが掲示されている。5月の決起大会以降、新規に見つけ出してきた170品を含む約700品目を売り出していくという。
ステージに立った森市長は、新規開拓した「ふとん工房ねむねむの『名工の敷布団』」、「大人の柿の種、スギウラピーナッツの元祖大柿」「ミシュラン掲載の餃子専門店『新味覚』の餃子(2箱セット)」「ミシュラン二つ星の割烹西むらでのお食事」「スーパー『一号館』のごまの風味と香りの厚切り牛タン」「LA・PITAの非常時持ち出しリュック3daysサバイバー」「折り畳み自転車の世界ブランドDAHON」などを次々に紹介。四日市には幅広い選択肢があることをPRした。
発表会場になった「CLUB CHAOS」は、人気バンドも出演する老舗ライブハウス。照明やスモークなども本格的で、その中で歌う自分を映像にできるのがここでの返礼品の売りだ。森市長は「とにかく、前へ進みたい」と、ザ・ブルー・ハーツの「TRAIN- TRAIN」を職員のバンド演奏に合わせてこぶしを突き上げて歌い、観客役の職員から声援を浴びていた。この様子はビデオ収録され、後のふるさと納税のPRなどで使われる予定だという。
この日の発表では、今年度の寄付額は、5月の約450万円(前年度約503万円)に比べ、8月約1103万円(約324万円)、9月約5865万円(約327万円)、10月約2051万円(約1522万円)、11月約2812万円(約1044万円)のように推移しており、現時点での合計では約1億4280万円(約4654万円)と、前年比約3倍に伸びている。
森市長は「すぐにプラスにはできないだろうが、この状態を続けることで、いつか、願いを実現させたい」などと話していた。