うれしさと驚きが同時に 全国製図コンクールで最優秀賞 四日市工業2年の松岡君

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【作品を手にする松岡君=四日市市日永東】

 日本建築協会が主催する「第69回工高生デザインコンクール」で、四日市工業高校(四日市市日永東)の建築科2年、松岡祐人君が全国1位の最優秀賞に輝いた。応募数は148点あったそうで、「わくわくする小さな駅」をテーマにした作品は、松岡君の友人や地域への思いが込められたものだ。

 作品はA1用紙1枚に、図面や模型写真をレイアウトし表現するもの。これまでも四日市工業では、同コンクールで最優秀賞の実績がある。今回は148点の応募があったそうで、松岡君の作品名は「サブスク! ―小さな出会いを与える新しい定期券の形―」で、幼いころからの友人が突然不登校になったことから、駅舎で地域との関係を再構築できないかを考えたという。

 自身も以前は電車に乗る機会は少なかったが、通学に電車を利用するようになったときに、利用者が減少していることなども知った。コンクールへの応募を決めたのは今年6月ごろ。担当の有馬智昭教諭らに相談しながら図面などを考え、夏休み期間中にも取り組んだ。児童減によるコミュニティの狭小化問題、電車の利用者増などにも踏み込み、「今まで」と「これから」を図面に込めていった。小さな出会いのきっかけを与えてくれる場所になってほしいと、家や学校以外の特別な場所になるようにこだわったそうだ。

 受賞が分かったときは、「うれしさと驚きが同時でした」と笑顔の松岡君。友人からは「やったやん」と祝福されたいう。日頃から、気になったことや感動した言葉などをメモに残し、作品作りに生かしているそうで、有馬教諭は「繊細で自分で考える力がすごい」と話す。

 将来は建築関係に携わっていきたいと熱い思いを持つ。「もっと頑張って、3年生も高校生活最後の年を大切にしたい」と話していた。