四日市市薬物乱用防止対策協議会は11月2日、設立15周年記念大会として、国際麻薬情報フォーラムの副代表理事・瀬戸晴海さんを講師に招いた基調講演や「考えよう!地域社会への薬物乱用防止活動」をテーマにしたパネルディスカッションなどの内容で、薬物乱用防止市民公開シンポジウムを四日市市諏訪町の市総合会館8階視聴覚室で開いた。
シンポジウムは2部制で第一部は瀬戸さんによる基調講演。スクリーンに資料用の画像や映像を映しながら、国内外の薬物事情について説明。「スマホとSNSが薬物売買の全てを変えた!」を演題に、現在の薬物事情を実際にあった事例を挙げながら、話を進めた。大麻の栽培方法がインターネット上にあふれ、専門サイトなどもあることから、「薬物が凄まじい勢いで、身近に迫っている」と瀬戸さん。SNSなどのやりとりで、薬物を買うのも売るのも状況が以前と比べ一変し、「友達感覚で購入し、アルバイト感覚で密売人に手を出してしまう」という。
子どもたちが、薬物以外の犯罪にも巻き込まれることも多いという話もあり、講演の最後に「薬物犯罪、乱用は時代を映し出す鏡。社会の変化と合わせるかのように状況が変化する。子どもたちを被害者にも加害者にもしてはならない」と瀬戸さんは訴えていた。
第二部では瀬戸さんもパネリストとして参加し、四日市薬剤師会の平岡伸五会長らが登壇し、「考えよう!地域社会への薬物乱用防止活動」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。
会場の後方には、今年度の四日市市内のけし除去数などの資料もパネルで設置。令和5年度に入り、市内で2万4087本の除去数が、各地域別に分けて記載された資料もあり、来場者は関心を持っていた。