四日市市文化会館制作 初の本格的ミュージカル「回転木馬」オーケストラ生演奏で豪華キャスト出演 

【ミュージカル「回転木馬」をPRする浦嶋さん(左)と山田さん=四日市市海山道町】

 ブロードウェイミュージカルの名作でもあるミュージカル「回転木馬」が、11月4(土)、 5日(日) に四日市市安島の市文化会館第1ホールで上演される。プロ俳優の他、公募で選出した18人の地元アンサンブルキャスト、8人のこどもキャストも出演し、オーケストラの生演奏が舞台に厚みを持たせる。指揮者は市民オペラで実績のある竹本泰蔵さん。演出は演劇、音楽、ダンス、伝統芸能など多彩なジャンルの創作で活躍する演出家の川口智子さんが手掛ける。

 1988年の市民ミュージカルを皮切りに、市民オペラや市民演劇といった市民参加型の舞台を生み出してきた同会館。とりわけこの30年間、定期的に企画制作してきた市民オペラのノウハウを生かし、今回初の「本格的ミュージカル」制作で地方における実演芸術活性化を目指す。

 小さな港町。女工のジュリーは友人キャリーと遊びに行った回転木馬で呼び込みをするビリーと恋仲になる。夏の到来を告げるパーティーの夜、身ごもったジュリーとの生活のために悪友ジガ―の誘いに乗り、強盗を企てるが失敗し、警官に追われたビリーは自ら命を絶つ。天国に行ったビリーは、やり残した何かを成すために、一度だけ地上に降りることを許される――。

 「王様と私」「サウンド・オブ・ミュージック」などの名作を世に出した作曲家リチャード・ロジャースと作詞家オスカー・ハマースタインⅡ世のコンビの 2 作目に当たる「回転木馬」。今公演は戯曲翻訳家の小田島創志さんによる完全新訳で上演。中部フィルハーモニー交響楽団のオーケストラを舞台上に配置し、舞台セットを最小限に留める。通常、オーケストラピットと呼ばれる客席面より一段低くした場所に配置する楽団を舞台上に配置することで、音に広がりを持たせ1940年代当時のサウンドを再現する。客席からは、楽団とミュージカル演者の繰り広げる世界の両方を一望にできる珍しい観劇体験となりそうだ。

【稽古に励む出演者ら】

豪華なキャスト陣にも注目

 キャストには、様々な舞台で活躍する四日市市出身の歌手で舞台俳優の浦嶋りんこさんや、同会館の子どもミュージカルワークショップで講師を務めているミュージカル俳優の荒川裕介さん、横浜市出身で結婚を機に四日市市に移住し、今回が同市での初の舞台出演となる俳優の山田宗一郎さんら幾度もミュージカル舞台に立った経験のある実力派が揃う。キャリーの夫で漁師のスノウ役、山田さんに四日市市の印象を尋ねると、「住んでみたら便利な立地で助かっている。子どもに幅広い体験をさせられるのも魅力」、今作については「ミュージカルには演技上、立ち位置の細かい指定など決め事が多いものだが、今回は俳優に任せられている領分が大きく、仕上がりが未知数。とんでもない可能性の塊のような作品」と語っている。

【公演へ向け稽古に熱が入る】

  

 またジュリーの叔母ネティ役の浦嶋さんは、「全編通して楽曲が素晴らしい。特にそれぞれのソリストの歌うソロが大作揃いで聴きごたえ充分。アンサンブルコーラス参加の曲も女性曲・男性曲とバラエティーに富んでいる」と見どころを話し、「四日市と縁深いようなミュージカルをお届けします。捕鯨・紡績工場・はまぐりパーティー、さてどんな舞台でしょう?ぜひお越しください!」と呼び掛けている。

 4日は午後3時、5日は同2時開演。全席指定で一般S席6600円、A 席3300円。公演当日に身分証提示で座席指定券と引き換えることのできる22歳以下チケットは1100円(座席選択は不可)。チケット取り扱い、問い合わせは、四日市市文化会館TEL059・354・4501。公演詳細はホームページ(https://yonbun.com/performance/19754.html

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