三重県の四日市市議会は10月5日、本会議再開の前に各派代表者会議を開き、新図書館ついて、今後、議会としてどのように議論を進めるかについて意見を出し合った。議員間の共通認識は、「費用対効果が分からないまま判断することはできない」ということで、どのような会議で検討していくか、さらに意見を集約することになった。
各派代表者会議では、「いい図書館を造りたいものの、市側の前提が二転三転し、総コストが幾らなのかも分からいため、議会として判断ができない」などと現状に対する疑問が出された。基本計画の予算措置を議会として認めた経緯はあるものの、市役所の東側を想定していた時点で、その後、旧スターアイランド跡地に変わった。「市側は、仮としても場所を決めないと、基本計画をつくる作業が進まない、という言い分だった」と議会側は認識しており、近鉄グループの新ビルの12000平方メートルの定期借地権が幾らか分からず、この場所での新図書館づくりが、他の場所で造る場合と比べて優れているのかどうかも確かめなくてはいけないなどの意見が発言された。
今後の議論については、全員協議会、議員政策研究会のような意見交換の場で行うのか、特別委員会のような意思決定ができる場にするのか、ふたたび、各派で意見を出してもらうことにして、この日は会議を閉じた。
本会議では、教育委員会委員の任命、公平委員会委員の選任、人権擁護委員の推薦など計8件の人事案件に同意し、議員発議の市議会会議規則の一部改正について可決した。この改正によって、市議の議席を議長の判断によって移動することができるようになり、今後、新型コロナなどの感染症が発生した時などに、議員が間隔をとって議席に着くことが可能になるという。