三重県の四日市市議会は9月29日、一般質問を再開し、政友クラブ2人とフューチャー四日市3人の計5人が質問に立った。新型コロナワクチンの副反応や後遺症に対する救済、大矢知地区の通学路の安全確保、学校で長く続く「体育座り」は体にいいのか、などについてやりとりがあった。【四日目を迎えた四日市市議会の一般質問=四日市市諏訪町】
政友クラブの荻須智之さんは、新型コロナワクチンの副反応やその後遺症で仕事ができないなど苦しんでいる市民がいるとして、市独自の救済をすべきだと質問した。市側は、救済は国の認定によって決まるため、市が独自の救済はできず、書類作成や案内などの手助けに努めることになると答えた。
荻須さんは、大矢知地区の「八風街道」を横切る通学路で事故が多いことを指摘し、昨年春に見直された通学路を問題視した。市側は、教育委員会と警察、地元自治会などで検討を重ねた結果の変更で、現在、この通学路のアンケートをしており、その状況によって考えたいなどと答弁し、見解が激しく対立する場面もあった。
笹岡秀太郎さんは、ローラースポーツ振興の観点から、中央通りの仮設利用で話題になったスケートボードパークだけでなく、富洲原小学校付近のスケートパーク、桜町にある四日市スポーツランドの施設など、既設の施設の有効活用にも努めるよう市側に求めた。
フューチャー四日市の後藤純子さんは、学校で長く続く「体育座り」について市の考えを聞いた。体育座りは脊柱本来の湾曲と異なる形で体を丸める姿勢になり、骨盤や身体の柔軟性に影響があるとの指摘がある。市側は「過度に同じ姿勢にならないよう工夫したい」などと答弁した。
後藤さんは、久留倍官衙遺跡の公園に、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などのデジタル技術を用いた見学方法を採り入れる考えを聞いた。市側は11月11日に開催する「久留倍官衙遺跡まつり」で、名張市の国史跡夏見廃寺跡と連携したXR(クロスリアリティ)企画で試験的に導入すると答弁した。四日市に居ながら名張の様子が体感できるという。
伊世利子さんは、在宅介護支援センターを福祉の相談のワンストップ窓口にできないかと質問した。市側は、相談の内容は多岐に渡り、それぞれ専門知識が必要なため困難とし、地域包括支援センター、子育て支援センターなどとの役割分担をはっきりさせ、広く市民に知らせていきたいと回答した。伊世さんは、ヤングケアラーなどの実態調査を市独自に行えないかと質問したが、市は、他市などで実施された調査結果で参考にできるとし、その分、支援策や一般市民への啓発を図ることに力を入れたいと答えた。
小田あけみさんは産廃埋立の「大矢知・平津事案」などを例に、行政的な理由でその土地の使用が制限された所有者は固定資産税を減免されるべきではないかと質問した。市側は全国の状況も調べ、税の考え方からも減免はされないと答えた。小田さんは、教員が生きがいをもって、より良い教育を考える研修環境の充実も求めた。