三重県の四日市市議会は9月28日、三日目の一般質問があり、公明党1人と政友クラブ4人の計5人が質問に立った。不登校や認知症への取り組み、農業への最新技術の活用、四日市港の将来などについてやりとりがあった。【一般質問は3日目を迎えた=四日市市諏訪町】
公明党の中川雅晶さんは、不登校の子どもへの支援について市の取り組みを質問。登校サポートセンターや、ふれあい教室などでの、専任教員の配置が重要だと指摘。居場所のひとつになっているフリースクールへの助成の検討なども求めた。認知症問題では、市が認知症施策推進計画を策定するよう求めた。6月に認知症基本法が公布され、国の計画のほか、県や市にも独自に計画をつくる努力を求めている。市は、作業中の国や県の計画づくりとの整合性も図りながら、策定できるよう検討したいと答弁した。
政友クラブの上麻理さんは、最新技術を搭載した農機具への助成が、野菜農家に利用しやすいものにしてほしいと要望。農業委員など農業関係者の高齢化が進んでいくことから、実際に農地まで足を運ばなくても、人工衛星からの画像データを利用して把握するなど、市も積極的に取り入れてほしいと求めた。市は先進事例などを研究していくと答えた。
上さんは、クリーンセンターなどで生まれる二酸化炭素を利用した農作物を栽培するプロジェクトや、下水処理から農作物の三大栄養素のリンを取り出すプロジェクトを先進地の例から紹介し、「産業都市の四日市こそ、こうした方策に率先して取り組んでほしい」と述べた。
森康哲さんは、かつて、中部国際空港や名古屋港と結んでいた四日市港からの水上アクセスを復活させる考えはないかと提案した。市側は、現時点では検討するのは難しいが、JR四日市駅から港方面への新しいまちづくりが議論されており、その中で人の流れが生まれれば、あらためて海上アクセスの可能性も考えていきたいなどと答弁した。救急出動が増えている消防の態勢強化などについても指摘した。
伊藤嗣也さんは、市道の陥没による事故で、市と相手の交渉が難航している例について質問したほか、川島地区の鹿化川で土手の斜面に大型の土嚢が積まれていることなどを指摘した。市側は、それぞれの事例の交渉経過などを説明し、今後もしっかり対処していくなどとした。
笹井絹予さんは、物流のドライバー不足などが言われている2024年問題に関連して、市の支援策などについて質問。日永などの旧東海道の道路が、ひびが入るなど痛んでおり、舗装の改善などについて質問した。市側は、市道になっている部分が、大矢知~内部までの13キロあり、順次、舗装などの整備を進めていると状況を説明した。