高校生ロックバンド「N/A!?」 迫力のステージでYTMF2023 ベストパフォーマンス賞受賞 「卒業しても活動続けたい」

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 県立白子高校軽音楽部に所属する3年生5人が結成したTHE ORAL CIGARETTESのコピーバンド「N/A!?(エヌスラッシュエー)」が、9月10日に四日市市文化会館で開かれた10代ミュージシャンの祭典「Yokkaichi Teen’s Music Fes2023(YTMF)」でベストパフォーマンス賞に輝いた。同バンドは、6月に開かれた同フェスのプレイベントに出演した際、「本選でグランプリを目指します」と抱負を語っていた。惜しくもグランプリは逃したが、迫力のステージで会場を沸かせた。【息の合ったパフォーマンスを披露した「N/A!?」=四日市市安島で】

 YTMFは、2017年に始まった若者による若者のためのコンテスト形式の音楽フェス。動画審査を通過した10代のミュージシャンが、日頃の成果を大舞台で競う。70人以上の部員数を誇る白子高校軽音楽部から、今年は同フェス本選に3組のバンドが出場した。

 「N/A!?」は、昨年11月、ロックバンドTHE ORAL CIGARETTESの楽曲「狂乱Hey Kids!!」を演奏したいというメンバーが集まって結成。ボーカルの坂本創世君を中心に、ギターの鷲野透和君と藤原蒼介君、ベースの鈴木健世君、ドラムの筒井怜雄君が脇を固め、激しいロックサウンドをマスターすべく、切磋琢磨してきた。練習の成果を最初に発揮したのは、今年3月に亀山市で開催された「亀山ミュージックジャンボリー」。持ち歌2曲で予選を勝ち進み本選に出場、ここでも見事ベストパフォーマンス賞を受賞した。YTMFのプレイベント時にはレパートリーが3曲に。本選出場に当たっては、さらに別の曲を猛練習し、メンバー一丸となってグランプリ獲得を目標にしてきた。

【個性を発揮し演奏を楽しむメンバー。バンドのロゴはドラムの筒井君がデザインした】

 「本選で演奏したのはこれまでの持ち歌『狂乱Hey Kids!!』『カンタンナコト』に加えて新たに練習した『5150』と『BLACK MEMORY』。どっちも難易度の高い曲。頑張った!」、「お客さんとのコール&レスポンスができて楽しかった」、「何かしらの賞は取れる手応えがあった」。口々に感想を語るメンバー。ライブではボーカルの坂本君が握るマイク以外にも、全員の前にマイクスタンドを設置し、コーラスや掛け声を皆で担当するスタイルで、全4曲をノンストップで披露した。手本となるTHE ORAL CIGARETTESのライブ動画で曲のつなぎ方を研究し、コピーバンドとしての完成度を高めることに努めたが、自分たちの個性もプラスしたパフォーマンスを心掛けている。

 高校卒業後はそれぞれ別々の道を進むことが決まっている5人。音楽の専門学校に進学する鷲野君は、「自分が音楽を専門的に続けることで皆の求心力になれれば」。「失敗してもお互いの信頼でカバーできる、失敗が罪悪感にならないこんな仲間は他にない」と語る筒井君と、「皆で行けるところまで行きたい」と言う鈴木君は大学進学組。就職組の坂本君と藤原君は「大人になっても続けたい」「これを終わらせたくない」と話した。大人になる不安がないわけではないが、5人の気持ちは1つ、「この一体感を武器に、最高の思い出を作り続けたい」と満面の笑顔を見せた。

【活動を続けるという5人=四日市市安島で】

 同バンドは、10月21、22日に四日市市内で開かれるジャズフェスティバルの22日(日)市役所駐車場前会場のステージに午後3時から同40分まで出演する。「今までにない長時間のステージ。さすがにノンストップで40分は無理なので、世界観を壊さないようなMCを入れつつ盛り上げたい」。「N/A!?」の演奏は、同バンドのYOUTUBEチャンネル(https://www.youtube.com/@NA-wd4fg )でも視聴できる。