三重県四日市市で9月23日、「礒津鯨船祭り」が始まった。昨年、21年ぶりに復活を遂げた鯨船の「大正丸」は、たちまち地域の人気の的となり、「参加したい」という担い手などの人数も昨年を上回っているという。鯨船が地区の主要な道路を行くと、見物客が取り囲み、活気に満ちていた。【手前のクジラを追う鯨船の「大正丸」=四日市市礒津】
この日は日中、町練りなどが行われた。男衆100人ほどで引き回される大正丸は、金の彫刻が輝き、激しい動きを見せる場面でも堂々とした姿。今年は8月の大四日市まつりに初参加するなど、春から練習を重ねていることもあって、銛を放つ子どもの演技など落ち着いて見えた。(金に輝く鯨船の「大正丸」)
礒津鯨船保存会の西野孝之会長によると、「祭りに参加したい」という人が増え、昨年以上に祭りに活気があるという。かつての進行がどうだったか、経験者しか分からないことがあり、年配の経験者たち同士で「あんときはどうしてた」などと情報交換しながら祭りの再現を進めているという。
四日市市などの資料によると、礒津地区に鯨船が導入されたのは大正のこととされ、「大正丸」の名前の由来になっているという。1995年6月に市指定無形民俗文化財になった。祭りは24日まで。午前、午後と町練りがあり、午後7時ごろに塩崎神社に入船する予定という。(漁協近くでの鯨船の演技)