四日市市新々町の印章店「太古堂」が販売する同市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」グッズが、発売から10周年を迎える。1997年の市政100周年の年に誕生し、今から10年前にはかなりの人気になっていたこにゅうどうくんだが、当時はまだ世間に萬古焼のグッズしかなかったそうで、同店店主の小林克司さん(52)が家業のノウハウを生かし「こにゅうどうくんすたんぷ」を2013年9月7日に発売した。オリジナルグッズの考案エピソードや変遷、売れ行きについて聞いた。【陳列した商品を前に、10周年記念ドデカ缶バッジを手にする小林さん=四日市市新々町】
「今朝(取材日の午前)、外国人16、7人の団体さんが、『こにゅうどうくーん!』と来店してくださいました。一度にこんな大勢の来店があったのは、当店84年の歴史で初めてのことです」。聞けば全員日本語が堪能な英語講師、同店のことはウェブサイトで知ったそうで、皆で買い物を楽しんでくれたという。父親の誕生日プレゼントにと「こにゅうどうくんゴルフボール」1ダースを購入してくれた人も。「ネットの口コミでご来店いただけたり、通販では北は北海道から南は九州までお買い上げがあります」と小林さん。
【こにゅうどうくんグッズの陳列】
スタンプやスマホカバー、印鑑、ネーム印などから徐々に種類を増やしていったグッズ。販売終了したものもあるが、リニューアルを繰り返し販売しているTシャツやボールペン、新たに加わったトートバッグやラバーキーホルダーなど、現在のオリジナル商品は27種。コロナ禍でイベントがなくなり、こにゅうどうくんの活動も自粛された時期は、一時売り上げが低迷したものの、不織布マスクに押せるスタンプや、ハンドジェルボトルといった時勢に即した商品を売り出し、好評を博した。
私生活では、2015年に長女が誕生し、紙おむつに名前とこにゅどうくんのイラストが押せるスタンプ「おむつポン」や、幼稚園のプレ保育前には、「お名前シール」等、その成長に伴って考案したグッズも。おむつポンは、大人用の漢字表記のものもあり、介護用にも需要があるという。「在庫を抱えるリスクがあるので、なるべく小ロット・低価格で製作できて、喜ばれるグッズを日常生活の中で考えています」。
今年の新作は、「こにゅうどうくんアクリルスタンド」。土台から取り外せて、コンパクトに持ち歩けるとあって、お出かけのお供に連れて行き、目的地で写真を撮りSNSに「〇〇に行きました」と上げてくれるファンも多いそうだ。5月にシンガーソングライターの高橋優さんが、コンサートで四日市に来たことを同アクリルスタンドの写真とともにツイッター(現・X)に上げた翌日、じばさん三重で同商品が売り切れになるなど、オンラインの影響力に驚かされるという。
【2023年3月に発売されたこにゅうどうくんアクリルスタンド】
小林さんは、「こにゅうどうくんの活躍を祈りつつ、対面販売を強化するとともに、SNSでの広がりで出会えたお客さんとのつながりも大切にしていきたい」と話している。問い合わせは、太古堂TEL059・351・5123へ。公式ホームページは、http://www.taikodou.com/