箱の重さ「おかしい」、宅急便での現金詐取を未然に防ぐ、四日市南署がヤマト運輸のドライバーらに感謝状

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 宅急便で現金を送らせ、だまし取ろうとした特殊詐欺を、集荷担当のドライバーが箱の重さなどから「おかしい」と感じて被害を未然に防ぐ事案があり、四日市南署は8月23日、このドライバーらに感謝状を贈った。【詐欺の被害を防いだドライバーの長谷川光政さん(中央)と営業所長の國分弘子さん。左は藤井淳夫署長】

 感謝状を受けたのは、ヤマト運輸鈴鹿伊船営業所のドライバー長谷川光政さん(48)と、営業所長の國分弘子さん。藤井淳夫署長がそれぞれに感謝状を手渡し、「我々の努力だけでは防ぎ切ることが難しい特殊詐欺だが、連携プレーで防いでいただいた。地域の大きな力で、これからも協力をお願いしたい」などと話した。

 事案は8月4日の昼ごろ、長谷川さんの業務用携帯電話に高齢の女性から「荷物を取りに来て」と電話があったことから始まった。この女性から電話がかかるのは初めてで、「どうやって携帯の番号を調べたんだろう」と疑問を感じた。

 少し時間を空けて家を訪ねると、小さな箱に「石鹸、タオル」と品名が書かれていた。明らかに重さが変。20年余のベテランの勘もあって、営業所を通じて警察官に来てもらい、女性の被害を防いだ。箱の中には現金50万円が入れてあったといい、電話に応じて、言われるままに東京のアパートの送り先に現金を送ろうとしていたらしい。ヤマト運輸で調べたところ、この住所のアパートは空き家になっており、高齢者をだます目的の特殊詐欺と考えられるという。(藤井淳夫署長から感謝状を受ける長谷川光政さん)

 長谷川さんは「被害を防ぐことができて、うれしい。代引きなど、おかしいなと思う事例はほかにもあり、こうした被害が出ないように注意することを続けたい」と話した。2人に同行したヤマト運輸の三重主管支店サービスセンター長の内山民雄さんは、「今月下旬の県内の所長会議で今回の事例を紹介し、参考にしてもらう」と話していた。