四日市市の地場産品、萬古焼の蚊やり豚に装飾を施し、アートとして楽しむ「アートな蚊遣り豚展」は2000年の開始以来、コロナ禍での休止を入れ、足掛け24年になる今年、節目の20回目を迎え、現在最後の展示会としてオンライン展を開催中だ。恒例の人気投票も実施し、投票者の中から抽選で20人にKINCHOグッズが当たる。8月27日(日)まで。【展示会ポスター=同実行委員会提供】
今回の出展者は、三重22人(内、四日市市9人で最多)をはじめ、東京や愛知、遠方では宮崎等、1都1府5県から合計39人。郵便ポストを模した「ポストン(豚)」、青森県の祭りがモチーフの「ねブタ祭り」、花束と帽子を装飾した「ブ~ティフル Bootiful」など、ブタを意識した楽しいネーミングの作品が多く集まった。完成品を写真で応募するオンライン展ならではで、背景やシチュエーションなど撮影にもこだわりが見られる。
【同展企画者の森さんの作品】
自身も初回から欠かさず出品してきた企画者の同市西阿倉川のデザイナー森千秋さん(65)の今回の作品は、アメリカ映画のパロディ作品「猿?いや豚の惑星〜ラストシーン〜」。2019年(第18回)開催時の作品『侘ぶ錆び』を再利用した作品だそうで、今までも蚊遣り豚を「割っただけ」のような簡易的な作品をつくったこともある。「制作レベルに関係なく、夏の思い出に多くの人に参加していただいてきた同展だが、高度なテクニックの作品の増加と共に、応募を躊躇する人も多くなり、参加人数が伸び悩むようになったのが一因」と、今回を最後の展示会とした理由を語った。
出展者からは、「作るまでの発想する時間が楽しい」、「夏休みの宿題をやっている感じで子どもの頃を思い出した」等の感想があるそうで、森さんは「人に見てもらい、投票してもらうというドキドキ感を味わえる。参加者はもちろん、企画側も楽しんできた」と語る。「2004年に大阪・梅田ロフト、2008年は四日市市制111周年で市民事業として5会場で開催、2015年の東京日本橋・三重テラスでの展示会などたくさんの思い出がある。今回がラストだが、会期中はいつでも閲覧可能なオンラインならではの展示を楽しんでほしい」。
【2008年、池袋駅前にあった日本伝統的工芸品センターで開催した展示の様子】
作品の閲覧、投票は特設サイトから。◆アートな蚊遣り豚展特設サイト http://www.50s-nw.co.jp/kayaributa2/2023/event/index.html
また、森さんの事務所ウェブサイト(http://www.50s-nw.co.jp/index.html)では、過去の展示会の記録も閲覧できる。