三重県四日市市水沢町の足見田神社で7月31日、夏恒例の「水まつり」があり、300年以上続く伝統の「お諏訪おどり」が披露された。神社までの道沿いには地元の小学生が作った行灯が飾られ、神社の鳥居の周囲では里帰りした同級生らが再会を喜び合う。踊りのあとには打ち上げ花火が豪華に上がった。【花笠と締め太鼓で伝統の「お諏訪おどり」を披露する地元保存会のみなさん=四日市市水沢町】
午後8時、高さ1メートル近い飾りがついた花笠を被り、締め太鼓を首から下げた踊り手が境内に登場。輪をつくり、「お宮祝入り」「お諏訪」「名所」など踊り手が替わりながら約1時間、幾つかの種類の踊りを披露した。(手作りの行灯、小学生も参加しての踊りの披露)
お諏訪おどり保存会の大人たちのほか、踊り手や唄の後継者を育てようと、小学生や中学生も練習して参加した。小さな体で大きな太鼓を振り回したりする大技に、大勢の観客から拍手が贈られた。(太鼓を左右に大きく降ったり、大きくジャンプしての演技)
地元の人の話では、この地域は、昔は「川上杉村」と呼ばれていたという。隣村との水利権の関係などで、用水の工事が中断して困っていたが、土地の庄屋の辻久善さんが江戸に出て公儀から用水を引く許可を得て、工事が再開、それからは水が豊かな地域になって、やがて「水沢町」という地名になったという。1720年、用水の完成と辻久善さんの功績を称え、地元の人が踊りを奉納したのが「お諏訪おどり」の始まりとされ、1973年には四日市市の無形民俗文化財に指定されている。