不当要求への抑止力にと四日市市で協議会設立、排除宣言も採択

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 暴力団などの不当な要求への抑止力にしようと、7月19日、「四日市市中心市街地再開発にかかる市建設工事等不当要求等防止協議会」が設立された。この日、市総合会館で設立総会と記念の講演会があり、設立総会では「不当要求等排除宣言」も採択、講演会では三重県警の担当者が最近の暴力団の動向や不当要求に対応する基本的な対応方法を語った。【協議会の設立総会で趣旨を語る森智広市長=四日市市諏訪町】

 設立総会では、諏訪栄町配水支管経年管布設替工事(総事業費8.5億円)や中央通り再編事業(同200億円)のような規模が大きい事業を進めるなかで、利権やトラブルに付け込んだ暴力団などによる不当要求が発生する恐れがあり、関係機関が連絡を取り合って必要な措置を講じることで、事業にかかわる者の安全を確保し、工事などが円滑に施工されることを目的とするとの設立趣旨や、協議会の構成や役割などをまとめた規約、設立趣旨を要約した文章の「不当要求等排除宣言」を議案として可決した。

 講演会では、三重県警本部刑事部組織犯罪対策課暴力団対策室長の中村哲也警視が「不当要求の現状と対策について」と題して話した。中村さんは、全国や県内の暴力団組織の動向や、最近は暴力団の構成員であることを表に出さない潜在化の傾向があることなどを紹介した。不当要求の相手には、こちらの管理下にある場所で会い、決して相手の指定する場所には出向かない、相手より多い人数で役割を決めて対応する、相手の挑発に乗らず、その場での書類作成や押印などは拒否し、トップには対応させない、録音、録画が難しい場合でもメモだけはしっかりとり記録を残す、などの対応方法を説明した。