三重県四日市市で7月18日、市役所の事務室にフリーアドレスなどを試行導入するオフィス改革の実験が始まった。固定した席で仕事をするこれまでの事務室と異なり、特定の席をつくらない大テーブルで、その時その時の仕事に合わせて仲間の席を入れ替え、仕事上のコミュニケーションをより深めることが期待できるという。【固定席を設けない大テーブルでは、仕事に応じた場所で仕事ができる=四日市市諏訪町】
まずは、本庁舎7階の商業労政課、工業振興課で採用した。もともと、仕事上で意見交換をする機会が多い両課といい、フリーアドレスを導入することで、完全にひとつの課になったかのような印象。窓を背に座っていた上司が、部署の仲間と隣同士で並んで仕事をすることも起き、これまでにない仕事のやりとりが生まれる可能性が期待できるという。
どこにでも座れる大テーブルのほか、「ファミレス席」と呼ばれる向かい席では、モニターを使ったミーティングをタイムリーに行い、事務効率を上げようとのねらいがあるという。(なるほどの命名「ファミレス席」ではモニターを活用)
ほぼ四方を囲われた1人用の席にした「集中スペース」は、電話や視線を気にせず仕事に集中できるほか、ウェブ会議への参加に効果的。立ったまま相談ができるカウンター席や、コーヒーなどで一息入れている時にも打ち合わせなどができる丸テーブルもある。(丸テーブルの後方が、ほぼ四方を囲われた「集中スペース」)
新しいオフィスに移行するために、それまでの事務室で雑然としていた書類を2カ月がかりで整理したという。そうすることで、必要な文書が再確認できた効果も生まれたという。
職場の環境が変わって新しいアイデアが生まれ、結果的に市民サービスにつながることが、オフィス改革の最大のねらい。総務部総務課の働き方改革推進室では、効果が確認できて、他の部署へと広がることを期待している。