大学に求めるのは企業の現場で生かせる専門知識や技術か、四日市市大学構想策定委員会でアンケートの速報版報告

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 JR四日市駅周辺に新しい大学を誘致しようと設置された四日市市大学構想策定委員会の2回目の会議が7月10日、市役所で開かれた。企業の人材採用・育成担当者や若手社員を対象に6月に実施したアンケート調査の速報版の報告があり、企業側も、大学を出て間もない若手社員も、現場の仕事で生かせる専門知識や技術を大学に求める様子がうかがわれた。【2回目の会議を開いた四日市市大学構想策定委員会=四日市市役所】

 アンケートは四日市商工会議所の常議員・議員企業264社、それ以外の北勢地域の企業89社の計353社に依頼し、①企業(人材採用・育成担当者)向け②若手社員向けの2種類で回答を得た。企業向けは106社、若手社員向けは261人が回答を寄せた。

 企業向けでの回答では、「従業員に対して重視するスキル、資格について」の質問で、80.2%が「専門分野に関する技術・知識力」、54.7%が「業務に役立つ資格・免許の取得」、38.7%が「ITを使いこなす一般的な知識・能力(OA・事務機器操作)」の順に多かった。「大学と協力して実施したい教育」については「デジタル技術を利活用して技術革新や生産性向上の提案ができる能力」「プログラム、システムを自ら開発または運用できるスキル」「語学・国際化対応能力」「業務を遂行する上で有益なITリテラシー」などが挙げられた。

 一方、若手社員向けの回答では、「就職後に役立った学生時代の教育・経験について」では42.9%が「専門知識・理論に関する教育」、25.7%が「教養教育」、24.1%が「ITを使いこなす一般的な知識・技術(OA・事務機器操作)に関する教育」と回答。「学生時代に学んでおけばよかった教育・経験について」では「現場で役に立つ資格・免許の取得」「専門的なITの知識・技術(システム開発・運用、プログラミング等)」「ITを使いこなす一般的な知識・技術に関する教育」「経営に必要な知識、理論に関する教育」などが挙がった。

 「今後実施したい自己啓発・能力開発について」では「現場で役に立つ資格・免許の取得」、「専門的なITの知識・技術(システム開発・運用、プログラミング等)」「専門知識。理論」などが挙がり、企業側、若手社員の双方が、企業の現場で生かせる実用的な専門知識や技術に関する教育を大学に求めているようにも読み取れる内容になっている。アンケート調査結果の完全版は10月開催予定の3回目の会議で報告される予定という。