四日市の大宮神明社で輪くぐり神事にぎわう、二日雨で順延、ついに快晴

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 三重県四日市市日永1丁目の大宮神明社で7月2日、「輪くぐり神事」があり、茅の輪くぐりで無病息災を願おうと、大勢の人が訪れた。コロナ禍の中では神事のみを続けてきたというが、今年は4年ぶりに神社周辺の旧東海道などには露店が並び、祭りらしい風景が戻った。【茅の輪くぐりをする参拝者たち=四日市市日永1丁目】

 6月30日の予定だったが、雨で2回順延し、この日、青空の下で開かれた。あすなろう鉄道の日永駅から神社へ向かう旧東海道などには道路の両脇に露店が並び、前に進むのもやっとの時間帯もあった。(露店が並び、にぎわう旧東海道)

 神社の境内には幅2.5メートル余、高さ2メートル余の茅の輪がしつらえられ、午後6時ごろから井後政晏宮司や地域の人たちが出席して神事をし、午後7時少し前、一般参拝者の茅の輪くぐりが始まった。旧東海道の鳥居から50メートルほど、順番を待つ列ができるほどの人出だった。(地域の人たちによる神事)

 イネ科の植物の茅(チガヤ)を編んでつくるとされる茅の輪は、各地でも夏の無病息災を願う行事として行われている。日本神話のスサノオノミコトに由来するものとも言われ、茅を用いることも国生みの神話や、葉の形状から剣に通じるとの見方もあるという。

 大宮神明社は、鎌倉時代から今の三重県立四日市南高校付近にあったとされ、当時はそのあたりまで海だったことから舟付明神とも呼ばれていたという。永禄5(1562)年に今の地に移ったとされる。本殿右横に大己貴命(オオナムチノミコト)と少彦名命(スクナヒコナノミコト)をまつる摂社、二柱大神社(フタバシラノオオカミシャ)があり、「センキさん」ともいい、病気を治す神様として知られるという。