「シリウスフェスティバル」にぎやか、いしが在宅ケアクリニックが開院14周年で開催

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 三重県四日市市の「医療法人SIRIUS いしが在宅ケアクリニック」で7月1日、開院14周年を記念した「シリウスフェスティバル」が開かれた。駐車場にはキッチンカーやマルシェの店が並び、屋内では在宅医療や健康づくりに関するミニ講座や医療介護相談などが開かれた。患者さんのほか地域の人も大勢やってきて、施設全体がにぎわった。【オープニングは地域のセコイア太鼓の演奏から=四日市市山城町】

 クリニックは理事長で院長の石賀丈士さん(48)が2009年7月に開設。人生の最後は自宅で過ごしたいと願う人たちを医療のプロとして支えたいとの思いからだったという。(オープニングであいさつする石賀丈士さん)

 2020年3月に新しい診療施設が完成したが、直後に新型コロナの感染が拡大した。新施設には地域の人にも利用してもらえるホールや談話室などをそろえていたが、思うように利用できない状況で、コロナをめぐる社会状況に変化した今、施設を活用していく願いも込めて企画したという。下野地区連合自治会、山城町自治会、NPO法人下野・活き域ネットなどが共催した。

 オープニングは、下野小学校のシンボルになっている樹木の名前をもらった「セコイア太鼓」の演奏。開会のあいさつで、石賀さんが「みなさんと顔を合わせて楽しめるのは久しぶり。満喫していってください」と話した。(キッチンカーやマルシェでにぎわう駐車場)

 2、3階を吹き抜けにしてつくられたホールでは、在宅医療の基本知識や保湿剤の塗り方、おむつのコツなどの講座があり、石賀さんも「がんを予防し、がんを治す生活とは」の題で30分ほど講演した。薬だけに頼らず、自分で病を克服する力をつくるため、食べることを重視し、食品添加物に注意し、体によい成分をもつ野菜などを紹介した。(講演する石賀丈士さん)

 

 石賀さんは大阪出身で、三重大学医学部を卒業し、三重大学付属病院や伊勢赤十字病院などの勤務を経て四日市市で独立したという。2023年7月現在で、月間の訪問患者780人、年間在宅看取り数502人、累計在宅看取り数は4025人になるという。1訪問診療および往診1回あたり100円を寄付する運動を続けており、国連世界食糧プログラムや国境なき医師団などを支援しているという。(いしが在宅ケアクリニックの外観)