今年で60回の節目を迎える大四日市まつり。一新された公式サイトで、四日市市出身のイラストレーター、坪井健さん(44)の制作協力で、祭りの魅力を1分間に凝縮したアニメーション動画が公開され、話題を呼んでいる。【大入道登場シーンを紹介する坪井さん=提供】
冒頭では、横断幕隊が先頭を行くパレードを再現。「大四日市まつり音頭」の軽快なテンポに乗って、消防音楽隊やバトントワリング、おどりフェスタ、つんつくおどり、市民総踊りが続く。「祭りの内容のバラエティの豊かさや山車のユニークさを広く知ってもらえるよう、明るく楽しい雰囲気で描いた」という坪井さん。山車が揃う場面で、「甕破り」は甕の中に子どもが落ちる様子を、「岩戸山」では天宇受売命(アメノウズメノミコト)に化けた狸が姿を現す様子等、細かい描写にもこだわった。
今回のPR動画制作に携わるきっかけとなったのは、2012年に企画展「わたしのマチオモイ帖」に出展した四日市市を題材にした作品「四日市絵巻帖」が、大四日市まつり実行委員会の目に留まったことから。坪井さんは同作品でも鯨船から大入道まで「ネリ」と呼ばれる奉納演技を思い入れ深く描いている。「大入道を描くと地元以外の人には『この首の長いものは何ですか?』と聞かれる。子どもの頃見た大入道は怖かったが、やはり四日市には欠かせない」と地元を離れての思いを語った。
動画は、公式サイト (kankou43yokkaichi.com)で見ることができる。
【大四日市まつり公式サイトの二次元バーコード】
【坪井健さんプロフィール】 四日市南高校時代は美術部。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。シルエットや幾何学模様を使った切り絵調のイラスト、アニメを制作。三重県民手帳のデザインも担当。