四日市市消防本部と三重県立総合医療センターが連携する救急ワークステーションが6月7日から試行運用されることになり、6月2日、センターで開始式があった。来年4月からの本格運用をめざしている。救急隊員が医療機関で研修を積みながら医師や看護師らと連携を深め、いざという場合の救命率を高めることが期待される。【開始式のあと、医師と連絡を取りながら救急隊員が心肺停止状態の患者を助ける訓練をした=四日市市日永】
開始式には渡辺敏明副市長や消防本部の幹部らと、新保秀人理事長、山本章貴救命救急センター長など医療センター側の幹部らが出席、計約30人で運用開始への第一歩をお祝いした。(開始式では、研鑽を重ねる救急救命士を幹部らが励ました)
医療センターの新保理事長はあいさつで、最近の救急搬送が年間約6200件と、同規模の病院の平均3200~3300を大きく上回っていることを紹介。四日市の救急出動から病院到着までの時間が全国的に見ても早いことを評価した。そのうえで、救急隊員が救急ワークステーションで知識と経験を積み、成長していってほしいと励ました。
救急ワークステーションは、救急救命士を含む救急隊員が、医療機関で医師や看護師らの指導のもと、処置の補助(救急患者に対する問診などの基本技術の習得や心肺停止状態の傷病者に対する静脈路確保、薬剤投与)などの研修をしながら、いざ、救急出動の要請があれば、医療機関から直接出動する仕組み。救急隊員の教育の場であると同時に、隊員にとっては、実際の傷病者の処置を経験する機会が消防本部で待機する場合に比べて格段に増えるため、それが市民の救命率を上げることにつながってくるという。
四日市市消防本部は、市立四日市病院との救急ワークステーションを県内で初めて平成25年1月から試行運用、翌年4月から本格運用している。医療センターとの連携により、2拠点での活動になり、救急救命態勢が充実する。(開始式に出席した四日市市、市消防本部、三重県立総合医療センターの幹部ら)