新しい四日市市南消防署の開署式が5月28日あり、市や地域の代表者ら130人余が参加してお祝いした。ふだんといざという場合の署内の設備の使い方が自然に移行できるよう「フェーズフリー」の考え方を採り入れているほか、津波などから避難した住民を収容できるように設計されている。【新しい建物での放水訓練を見る開署式の参加者ら=四日市市塩浜】
施設は四日市市塩浜のコンビナート地域にある。敷地面積は約3000平方メートル、建物は鉄筋3階建て延べ約1800平方メートル。消防車庫、事務所、会議室や署員の仮眠室などがある。大型化学車、大型高所放水車、泡原液搬送車などが待機しているほか、県内でただひとつのNBC災害(核、生物、化学物質)に対応できる「特別化学隊」をもっている。
式典では、森智広市長がこれらの特徴を挙げ、特別化学隊が7月のG7三重・伊勢志摩交通大臣会合の警備で参加することも紹介。「今後も消防力を強化してまいりたい」などとあいさつした。式典のあと、玄関前でテープカットをし、その後、参加者に放水訓練の様子を披露した。(あいさつする森智広市長)
「フェーズフリー」は、身の回りにあるモノやサービスを日常時はもちろん、非常時にも役立てることができるという考え方。南消防署では、事務室と食堂の間を仕切っている白いドアがホワイトボードとして使えるようになっていて、いざという場合に書き込みができる。食堂内には四日市市域の地図があって、いざという場合は食堂を作戦本部としても使える。ふだんは署員の訓練に使うタワーや屋上の訓練広場は、いざという場合には避難してきた人たちを受け入れる場所になる。(市域図がある食堂は、いざという場合の作戦本部に)