三重県四日市市の「遊パークすいざわ」で5月2日、第1回「すいざわレンゲ祭り」が始まった。休耕地を利用して豊かな田園風景をつくり、子どもや市民に自然と親しんでもらおうと、昨年秋、初めて種まきをしたという。初めてのこととあって、田んぼ一面が濃いピンクに染まるとまではいかなかったが、来場者は可憐な花を楽しみ、季節の茶摘みも体験し、ひとときを楽しんだ。【うっすらとピンクに染まるレンゲ畑=四日市市水沢町宮妻】
「遊パークすいざわ」は、四日市市少年自然の家の所長も務めた前田佳男さん(75)が、水沢地区の人や自然活動の仲間たちの協力を得てこの春オープンさせた。もともとは、所長退任後、農業の体験などを通じて心の栄養を補給してもらおうと開いた「田んぼの楽校」の10数年の活動がステップアップしたもので、子どもたちがパーク全体で森を探検したり、田んぼでどろんこになって遊んだり、いろんなことができる遊び場をめざしている。(可憐に咲いたレンゲの花)
レンゲ祭りの初日は、日祝日ではないため親子連れの来場は難しく、代わりにシニア夫妻などが来場した。水沢地区はかぶせ茶の産地としても有名で、来場者は近くの茶農家で新茶を摘む体験をさせてもらった。
レンゲ畑は、前田さんが地区の休耕田などを借り受けたという約3900平方メートルが中心。一部、周辺の田んぼに農家が自らレンゲの種をまいてくれたという。何度も休耕田を耕しながら種をまいたといい、手間はかかっているが、自然のままで育てたために雑草も元気で、ある程度かたまって咲いたところもあるが、全体としては、うっすらとしたピンクになった。レンゲ摘みの時間には、来場者が自然と雑草摘みを始めてくれて、前田さんもびっくり。(来場者に説明をする前田さん)
レンゲ畑の横にはミツバチの巣箱が置かれていた。趣味で養蜂をしているという持ち主の男性が巣の様子を来場者に説明した。前田さんは「地元の農家が休耕田にレンゲをまいてくれるなど協力も広がって、ありがたい。レンゲの育て方をもっと勉強して、来年はもっと見ごたえがあるようにしたい」と話していた。(ミツバチの巣箱を見る来場者)
5月3日は、水沢町の「星の広場」駐車場に午前9時30分ごろまでに行けば、前田さんやスタッフが受け付けを開いている。参加料は大人700円、子ども500円(幼児は無料)。レンゲ祭りは5月末まで続ける予定だが、4日以降は受け付けを置かない予定なので、来場希望者は事前に連絡してほしいという。前田さんの連絡先は090-4256-2341。