三重県内の陶芸作家作品の魅力を味わうイベント「建築文化財と陶芸作品に触れるGW」が、菰野町、湯の山温泉の旅館「寿亭」別館「水雲閣」(国登録有形文化財)で、4月29(土)から5月7日(日)まで開かれる。個性豊かな作品群が、水雲閣2階の貴賓室「櫻」で来場者を迎える。【新緑の水雲閣を陶芸作品が彩る(過去の展示の様子)=菰野町菰野で】
旅館寿亭創業百周年のイベントとして、2011年に始まった。文化財と陶芸作品を同時に楽しんでもらおうと四日市市諏訪町の陶器店「スギノトーキ」店主の杉野哲嗣さん(45)と寿亭が企画し、今年12回目。大正ガラスの掃き出し窓や、百年を越す樹齢の樹木から切り出した梁など品格ある意匠が随所に施された1929年建築の会場に、今回は作家5人が出展している。
◆安藤大悟さん
器の表面を削って模様を付ける「しのぎ」の技法を使い、しなやかな強さや生命力を表現。
◆久保田学さん
180年の歴史がある伝統的な成形技法「型萬古」を用い、意匠をこらした急須などを出展。
◆清水潤さん
細かい砂を吹き付け模様を施す「サンドブラスト」の技法でシックな幾何学模様をデザイン。
◆武村豊徳さん
薪が高温の灰になり溶けるのを利用した自然釉が焼き締められた器に独特の色を与えている。
◆松本空見子さん
手びねりで成形した味わい深い器に、ほのぼのとした絵付けを施す。日常使いに人気の陶器。
杉野さんは、「新型コロナの影響で、開催が中止になった3年前に出展予定だった作家さん達を、出展人数を絞りつつ3年かけて採り上げてきた。ずっと紹介したかった作家さんたちの作品を見ていただき、寿亭の日帰り風呂なども楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。
入場無料で展示は午前9時から午後4時まで。問い合わせはスギノトーキTEL059・352・3000、寿亭TEL059・392・2131へ。
※写真はすべてスギノトーキ提供