三重県の四日市港管理組合が2023年度当初予算案を発表した。一般会計が約69億7174万円(前年当初比10.4%増)、港湾整備事業特別会計が約48億9922万円(同60.3%減)で計約118億7097万円(同36.4%減)。カーボンニュートラルポート形成に向けた取り組みや、まちづくりと一体になった港づくりのためのイベント参加費などを盛り込んでいる。【空から見た四日市港=四日市港管理組合提供】
管理組合によると、2023年度は、策定作業中の「四日市港戦略計画(2023~2026)」のスタートの年にあたる。この戦略計画に掲げた「背後圏産業の持続的な成長を支える港づくり」「親しまれ、賑わう港づくり」「地域の安全・安心と環境を守る港づくり」の三つの政策を着実に推進できる予算編成にしたという。港湾整備事業特別会計の減額は、霞ヶ浦地区北ふ頭81号耐震強化岸壁背後の埋め立て造成が順調に進んだため、用地整備費用が減少したことなどが反映した。
おもな事業では、カーボンニュートラルポートの形成に向け、推進会議の開催や調査、事務費、中部圏での大規模な水素・アンモニアの社会実装を推進するため、関係団体と連携して取り組むための会議負担金などを計上。四日市港からの県産農林水産物・食品の輸出拡大を図るための補助金加算を一部新規で盛り込むほか、老朽化したひき船「ちとせ丸」の代船建造の設計業務費を計上した。四日市港のまちづくりのため、昨年に引き続き、イベントなどに参加するほか、千歳町3号、5号物揚場で景観に配慮した護岸改修を進める。新しい四日市港長期構想の策定、港湾計画の改定に向けた調査費なども計上した。