飲んでも食べても「かぶせ茶」には魅力、産地の四日市市で体験講座

1453

 茶農家から学ぶ「かぶせ茶の入れ方&料理体験講座」が3月19日、三重県四日市市水沢町の市茶業振興センターで開かれた。市の特産品のひとつ「かぶせ茶」の魅力を知ってもらうねらいで、以前は年2回開いていたが、新型コロナの影響で、ほぼ3年ぶりの開催になった。茶の緑を生かした料理は香り高く、「家でも作ってみたい」と参加者にも好評だった。【チャーハンにかぶせ茶を入れて調理する子どもたち=四日市市水沢町】

 小学生の娘さんを連れた親子4組8人が参加。講師は「四日市茶農家女子会」の池田汐里さん、堤智春さん、古市久美さんの3人が務めた。女子会は、茶の生産に携わる若手女性が集まって2013年に発足、現在は市内の13人で活動しているという。2016年と2019年に小冊子「四日市かぶせ茶レシピ」の第1、2集を作成した団体のひとつでもあり、この日の講座はレシピにもある「かぶせ茶入り鬼まんじゅう」と「かぶせ茶ーハン」をつくった。(かぶせ茶をつくるのに用いる遮光ネットの「寒冷紗」を見せる講師)

 調理に入る前に、かぶせ茶についてと、おいしいお茶の入れ方を習った。かぶせ茶は、「寒冷紗(かんれいしゃ)」という遮光ネットを茶にかぶせ、茶葉の成分が日光で変化して渋みや苦みにならないようにしてつくる。熱湯ではなく、少しさました湯だと、この甘みを強く味わうことができるそうだ。茶がらには栄養の7割ほどがまだ残っているといい、そのままや、料理で食べる意味がある。(おいしいかぶせ茶の入れ方を習う参加者)

 「かぶせ茶入り鬼まんじゅう」では粉末かぶせ茶を小麦粉などに入れて蒸し、ふっくらと、きれいな緑色に仕上がった。「かぶせ茶ーハン」は、卵をからめたじゃこ入りご飯を炒めたところに茶がらを入れ、さっぱりした味になるという。(出来上がった「かぶせ茶入り鬼まんじゅう」)

 出来上がった料理は参加者のお土産になった。「四日市かぶせ茶レシピ」は、第1集、第2集とも主食やお菓子など十数種のレシピが掲載されており、各地区の市民センターなどにも置いてあるという。